質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一二六号

成年後見制度と就業の権利に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年六月八日

川田 龍平   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   成年後見制度と就業の権利に関する質問主意書

一 成年被後見人又は被保佐人(以下「成年被後見人等」という。)であることを欠格事由とする条項を設けている法律及び第百九十三回国会で審議中の内閣提出法律案を、それぞれの条項を含め、全て示されたい。

二 成年被後見人等の就業の権利を守るため、前記一の条項を見直すべきと考えるが、「成年後見制度利用促進基本計画」(二〇一七年三月二十四日閣議決定。以下「基本計画」という。)の「3 成年後見制度の利用の促進に向けて総合的かつ計画的に講ずべき施策」の「(7)成年被後見人等の権利制限に係る措置の見直し」及び基本計画の工程表に基づき、成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度について、今年度はどのように検討を加え、見直しを進めるのか、具体的に示されたい。また、いつ、どのような会議体を設置して当該検討及び見直しを行うのかについても、具体的に示されたい。

三 前記二の検討及び見直しを行うため設置する会議体においては、成年被後見人等である当事者やその家族の意見を十分に踏まえる必要があるところ、当事者やその家族へのヒアリングを行えば足りるとするのではなく、当事者や家族を会議体の構成員に加えるべきであると考えるが、見解を示されたい。

四 前記二の検討及び見直しに当たっては、成年被後見人等であることを欠格事由とする条項を設けている法律を一律に見直すつもりか。地方公務員法については、成年被後見人等であるという欠格事由に該当したため、実際に失職してしまった者が出ていることが既に明らかとなっており、個別に早急な見直しが必要と考えるが、見解を明らかにされたい。

五 第百九十三回国会に提出された旅館業法の一部を改正する法律案は、旅館業法に成年被後見人等であることを欠格事由とする条項を設けようとしている。同法律案は、基本計画が閣議決定されるより前の二〇一七年三月七日に閣議決定されたものであるが、成年被後見人等の権利制限に係る措置の見直しを推進するとしている基本計画があるにもかかわらず、政府は今後も成年被後見人等であることを欠格事由とする条項を設ける法律案を閣議決定し、国会に提出し続けるのか。

  右質問する。