質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一二二号

全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年六月七日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に関する質問主意書

 昨年提出した、「全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に向けた更なる取組みに関する質問主意書」(第百九十一回国会質問第一九号)に対する答弁書(内閣参質一九一第一九号)が閣議決定されてから、約一年が経過している。この間の全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に向けた取組みを踏まえ、以下のとおり質問する。

一 法定最低賃金の遵守と特定最低賃金の積極的活用について

1 近年、各地域の地域別最低賃金は、政策的観点も総合的に配慮された結果、高い目安額となり、大幅な引き上げとなっている。この状況において、地域別最低賃金の実効性確保の観点から、監督行政を強化するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
2 法定最低賃金のうち、地域別最低賃金が、全ての労働者の賃金のセーフティネットとしての役割を担う一方で、特定(産業別)最低賃金は、当該産業の基幹的労働者を対象とし、労使のイニシアティブ発揮による「公正な賃金決定の促進による労働条件の向上」、「事業の公正競争の確保」を目的とし、「団体交渉の補完・代替」の役割も担っている。加えて、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案に対する参議院厚生労働委員会の附帯決議(平成二十七年九月八日)の三において「特定最低賃金の活用について検討を行うこと」とされていること等から、特定最低賃金の役割が重要になっている。したがって、特定最低賃金が、当該産業労使のイニシアティブ発揮により前記の役割を果たせるよう、都道府県労働局を含め関係者に引き続き周知するとともに、地域別最低賃金及び特定最低賃金の改正状況について、各自治体の広報誌やホームページに掲載する等、労働者及び事業主への周知を図るべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 有期契約労働者の雇用の安定・労働条件の向上に向けた支援の充実について

 労働契約法第十八条に基づく無期転換が円滑に行われるよう、同条の規定について、企業及び対象者への周知や無期転換を行う企業の支援を徹底し、また、無期転換者の労働条件の設定にあたっては、「労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべき」とする同法第三条第二項に留意するよう企業に周知するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。