質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇九号

北朝鮮との関係に関する政府方針に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年五月十五日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   北朝鮮との関係に関する政府方針に関する質問主意書

 日本政府の北朝鮮に対する取組方針について質問いたします。

一 私が、平成二十九年一月二十日付けで提出した「政府の「拉致問題が最優先課題」とする姿勢に関する質問主意書」(第百九十三回国会質問第七号)に対する答弁(内閣参質一九三第七号。以下「答弁書第七号」とする)において、政府は「政府としては、御指摘のいわゆる「ストックホルム合意」に基づき、拉致問題をはじめとする日本人に関する全ての問題の解決に向け全力を尽くしている。また、北朝鮮との関係に関する政府の方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、国交正常化を実現していくというものである」と方針を明らかにしています。
 一方、平成二十九年三月十日付けで中山恭子参議院議員が提出した「政府の拉致被害者救出に向けた施策に関する質問主意書」(第百九十三回国会質問第五〇号)に対する答弁(内閣参質一九三第五〇号。以下「答弁書第五〇号」とする)の「一及び二について」において、政府は「安倍内閣としては、北朝鮮による拉致問題は我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、政府の最重要課題の一つと位置付け、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現等に向けて最優先で取り組んでいるところである」(以下「指摘した箇所」とする)と答えています。
 そこでお尋ねしますが、ストックホルム合意に明記されている「日本人に関する全ての問題」の中で、政府が最優先で取り組んでいるのは拉致問題ですか。

二 ストックホルム合意の北朝鮮側第二には、「調査は一部の調査のみを優先するのではなく、全ての分野について、同時並行的に行うこととした」とあり、日本政府もこれに合意しています。
 そこでお尋ねしますが、答弁書第五〇号の指摘した箇所はストックホルム合意に反しているのではないですか。

三 政府は、答弁書第七号において、「拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、国交正常化を実現していくというものである」としています。
 そこでお尋ねしますが、「包括的に解決」するという政府の方針は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を切り離して個別に解決していくことはしないという意味ですか。

四 平成二十九年四月十七日、北朝鮮のソン・イルホ日朝国交正常化交渉担当大使は平壌で会見し、「日本が独自制裁を解除するなら北朝鮮への政策変更と受け止め、今も帰国していない北朝鮮の残留日本人、日本人遺骨の問題について、人道問題として取り組む用意がある」旨の発言(ソン・イルホ大使の発言の全文より。以下同じ)をしています。
 一方、政府は答弁書第七号において、「「ストックホルム合意」に基づき、拉致問題をはじめとする日本人に関する全ての問題の解決に向け全力を尽くしている」としています。
 そこでお尋ねしますが、ソン・イルホ大使の今回の発言について、政府はこれをストックホルム合意に基づく提案と受け止め、残留日本人の問題について北朝鮮との交渉に応じる用意がありますか。

五 ソン・イルホ大使は今回の会見において、「今も帰国していない北朝鮮の残留日本人、日本人遺骨の問題について、人道問題として取り組む用意がある」旨の発言をし、ストックホルム合意における日本人配偶者の生存者も「残留日本人」であるとの認識を示しているように読めます。
 そこでお尋ねしますが、ストックホルム合意に明記されている拉致被害者や行方不明者等、現在、北朝鮮において生存している全ての日本人は、ソン・イルホ大使の今回の発言における「残留日本人」であるとして、北朝鮮と帰国に向けた交渉をする用意が政府にありますか。

  右質問する。