質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇六号

森友学園への国有地譲渡と憲法第八十九条に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年五月十一日

山本 太郎   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   森友学園への国有地譲渡と憲法第八十九条に関する質問主意書

 日本国憲法第八十九条は「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」としている。学校法人森友学園に対する大阪府豊中市の国有地(以下「当該国有地」という。)の譲渡等に係る一連の問題と憲法第八十九条との関係について安倍内閣の認識を明らかにされたく、以下質問する。

一 森友学園は、新設予定としていた「瑞穂の國記念小學院」(以下「当該小学校」という。)に関して、そのホームページ(現在は削除)に「日本で初めてで唯一の神道の小学校」と記載し、さらに当該小学校敷地内に神社を建立する予定を示していたが、財務省は、当該国有地の森友学園との定期借地契約締結ならびに当該国有地の森友学園への所有権移転のそれぞれの時点において、当該小学校が開設された場合、「日本で初めてで唯一の神道の小学校」となることを知っていたのか、明確に示されたい。

二 前記一に関して、財務省が、当該国有地に係る定期借地契約締結ならびに所有権移転のそれぞれの時点において、当該小学校が開設された場合、「日本で初めてで唯一の神道の小学校」となることを知らなかったのであれば、財務省として、当該小学校が開設された場合、「日本で初めてで唯一の神道の小学校」となることを知ったのはいつか、その日時を明確に示されたい。

三 森友学園側から安倍晋三氏に対して当該小学校の校名を「安倍晋三記念小學院」としたいとの相談があった時点において、安倍晋三氏は、当該小学校が開設された場合、「日本で初めてで唯一の神道の小学校」となることを森友学園側から知らされていたのか否か、安倍首相の当時の記憶を用いて明確に示されたい。加えて、当時、安倍晋三氏が、当該小学校が開設された場合、「日本で初めてで唯一の神道の小学校」となることを森友学園側から知らされていなかったのであれば、当該小学校が開設された場合、「日本で初めてで唯一の神道の小学校」となることを安倍首相が知ったのはいつか、その日時を明確に示されたい。

四 財務省が、当該小学校が開設された場合、「日本で初めてで唯一の神道の小学校」となることを知った上で、当該小学校の新設用地として当該国有地を森友学園に賃貸ならびに譲渡したのであれば、国有地という「公の財産」を、神道という宗教を用いて教育を行う学校法人すなわち「宗教上の組織若しくは団体」の「使用、便益若しくは維持のため」に「支出し、又はその利用に供」することを禁じた憲法第八十九条に反することになるが、安倍内閣の認識如何。

五 前記四に関して、森友学園への当該国有地の賃貸ならびに譲渡が憲法第八十九条に反しないとの認識である場合は、その理由を法的根拠とともに具体的かつ明確に示されたい。

  右質問する。