質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第七八号

「テロ等準備罪」(共謀罪)に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年四月七日

福島 みずほ   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   「テロ等準備罪」(共謀罪)に関する質問主意書

一 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(第百九十三回国会閣法第六四号)により改正される組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「改正組織的犯罪処罰法」という。)に新設される第六条の二の「二人以上で計画した」というのはどういう意味か。「二人以上で計画した」と「共謀」の意味の違いは何か。「共謀」ではなく、「二人以上で計画した」という文言にする理由は何か。

二 「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画」について、当該計画の内容、合意の状況が具体的にどの程度まで達すれば「二人以上で計画した」と評価されるのか。

三 「テロ等準備罪」の訴因を特定する際には、前記二の計画を「二人以上で計画した」ことについて、当該計画をした日時、場所、当該犯罪をする計画の過程等を明確にする必要があるのではないか。

四 組織的犯罪集団の構成員ではない者が前記二の計画に加わった場合、その者も改正組織的犯罪処罰法第六条の二の「その計画をした者」に含まれるのか。

五 実行準備行為を伴う重大犯罪を組織的犯罪集団の構成員ではない者に実行させる計画を立てた場合には、改正組織的犯罪処罰法第六条の二にいう「計画をした」に該当するのか。

六 現行国内法の予備罪・準備罪における予備行為・準備行為と、改正組織的犯罪処罰法の「計画をした犯罪を実行するための準備行為」との違いは何か。

七 改正組織的犯罪処罰法第六条の二にいう「二人以上で計画した」と「計画をした犯罪を実行するための準備行為」との境界はどこにあるのか。例えば、前記二の計画を書面にする行為はどちらにあたるのか。

八 前記二の計画に加わった者が実行準備行為の前に共犯関係から離脱した場合には、その後に他の者が当該実行準備行為を行っても、当該共犯関係から離脱した者は「テロ等準備罪」では処罰されないこととなるのか。

九 前記二の計画をした者以外の者が当該計画により実行することとした犯罪の実行準備行為を行った場合、当該計画をした者と当該実行準備行為を行った者の双方とも処罰されることがあるのか。当該計画をした者と当該実行準備行為を行った者が異なる場合には、改正組織的犯罪処罰法第六条の二の「その計画をした者のいずれかにより」に該当しないのではないか。

十 弁護人が、証人との打ち合わせの際に、当該証人に対して飲み物などを提供したときは、証人等買収と判断されるおそれはないのか。

  右質問する。