質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第五六号

北朝鮮に対する経済制裁の効果に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年三月十七日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   北朝鮮に対する経済制裁の効果に関する質問主意書

 政府の北朝鮮に対する経済制裁の現状と効果に関する認識について質問します。

一 政府は、国連安保理決議に基づく北朝鮮に対する資産凍結措置の対象にどれだけの団体、個人を指定していますか。また、国際平和のための国際的努力への寄与を根拠とした国際協調による北朝鮮に対する資産凍結措置の対象にどれだけの団体、個人を指定していますか。それぞれ、年度別の件数、平成二十九年三月十七日現在での団体および個人の総計をお示しください。

二 民進党の渡辺周衆議院議員が行った北朝鮮に対する資産凍結措置の実態に関する問い合わせに対し、財務省は、外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」とする)に基づく平成二十九年二月現在の資産凍結額は四百四十九万六千九百七十七円相当としています。現在もこの金額に変わりはありませんか。また、政府は、この資産凍結措置においてどの団体や個人の資産を凍結しているのか、それぞれの具体的な金額とともにお示しください。

三 政府は、前記二の外為法に基づく資産凍結措置の現状をどう認識していますか。「対話と圧力」の方針のもとで、この金額はあまりにも少ないと認識していますか。それともこれで十分な「圧力」になっていると認識しているのですか。また、前記一の団体および個人の資産のうち、現在外為法に基づく資産凍結措置の対象とはしていない団体や個人の資産については、なぜ外為法に基づく凍結措置の対象とできないのか、その理由もお示しください。

四 政府は、北朝鮮との間のすべての品目の輸出入禁止などの独自制裁を実施しています。政府の統計によれば、二〇一〇年以降、日本と北朝鮮との間では輸出も輸入も「0億円」となっていますが、二〇〇七年から二〇〇九年までは、北朝鮮からの輸入は「0億円」だったのに北朝鮮への輸出は行っていました。輸入は「0億円」だったのに、輸出が行われていたのはどういう理由があったと認識していますか。

五 政府は、北朝鮮に対して輸出入禁止措置、資産凍結措置以外に、経済分野でどのような制裁を科していますか。経済制裁の効果を全体としてどのように評価しているかとともにお示しください。

  右質問する。