第193回国会(常会)
質問第四五号 日朝合意における生存者帰国に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十九年二月二十八日 有田 芳生
参議院議長 伊達 忠一 殿 日朝合意における生存者帰国に関する質問主意書 平成二十六年五月二十九日、ストックホルムにおいて日本と北朝鮮との間で合意した内容(以下「合意文書」とする)の「北朝鮮側」には、「第四に、日本人の遺骨及び墓地、残留日本人並びにいわゆる日本人配偶者を始め、日本人に関する調査及び確認の状況を日本側に随時通報し、その過程で発見された遺骨の処理と生存者の帰国を含む去就の問題について日本側と適切に協議することとした」とあります。 そこで、「生存者」(残留日本人並びにいわゆる日本人配偶者の生存者。以下「生存者」とする)が帰国した場合の対応について質問します。 一 政府は、帰国した生存者には生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)が適用されると認識していますか。また、生存者の家族で日本国籍を有しない者が生存者と暮らすために日本に入国した場合、その家族についても生活保護法は適用されますか。 二 政府は、帰国した生存者には国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)が適用されると認識していますか。また、生存者の家族で日本国籍を有しない者が生存者と暮らすために日本に入国した場合、その家族についても国民年金法は適用されますか。 三 政府は、帰国した生存者には国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)が適用されると認識していますか。また、生存者の家族で日本国籍を有しない者が生存者と暮らすために日本に入国した場合、その家族についても国民健康保険法は適用されますか。 四 政府は、帰国した生存者には生活福祉資金貸付制度が適用されると認識していますか。また、生存者の家族で日本国籍を有しない者が生存者と暮らすために日本に入国した場合、その家族についても生活福祉資金貸付制度は適用されますか。 五 政府は、帰国した生存者には生活困窮者自立支援制度が適用されると認識していますか。また、生存者の家族で日本国籍を有しない者が生存者と暮らすために日本に入国した場合、その家族についても生活困窮者自立支援制度は適用されますか。 六 政府は、帰国した生存者は日常生活自立支援事業の適用を受けることができると認識していますか。また、生存者の家族で日本国籍を有しない者が生存者と暮らすために日本に入国した場合、その家族についても日常生活自立支援事業の適用を受けることができますか。 七 政府は、帰国した生存者は母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の適用を受けることができると認識していますか。また、生存者の家族で日本国籍を有しない者が生存者と暮らすために日本に入国した場合、その家族についても母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の適用を受けることができますか。 八 政府は、帰国した生存者は成年後見制度の適用を受けることができると認識していますか。また、生存者の家族で日本国籍を有しない者が生存者と暮らすために日本に入国した場合、その家族についても成年後見制度の適用を受けることができますか。 九 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律(平成十四年法律第百四十三号。以下「支援法」とする)第三条には、国及び地方公共団体の責務が定められていますが、政府は、同条に定める責務に基づく国又は地方公共団体の施策は生存者にも適用されると認識していますか。 十 政府は、支援法第四条から第十四条までの規定は、生存者にも適用されると認識していますか。また、合意文書における「北朝鮮側」の第五では、拉致被害者及び行方不明者の帰国に関する協議等について言及されていますが、支援法第四条から第十四条までの規定は合意文書にいう「行方不明者」にも適用されると認識していますか。 十一 拉致被害者、行方不明者及び生存者(以下「生存者等」とする)が帰国した場合、その帰国した生存者等に対して国及び地方公共団体は様々な施策により支援をすることになりますが、その際重要な役割を果たすのが生存者等とのコミュニケーションと考えます。 帰国した生存者等の支援に当たる国及び地方公共団体の職員が韓国語・朝鮮語及びハングルを習得するために、政府はどのような施策を講じている、または検討していますか。また、帰国した生存者等が日本語を習得するために、政府はどのような施策を講じている、または検討していますか。現状をお示しください。 右質問する。 |