質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一一号

日・EU経済連携協定およびRCEPの交渉内容等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年一月二十日

舟山 康江   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   日・EU経済連携協定およびRCEPの交渉内容等に関する質問主意書

一 私が第百九十二回国会に提出した質問(第百九十二回国会質問第一一三号)に対する答弁(内閣参質一九二第一一三号。以下「答弁書」という。)の一の6についてでは、日・EU経済連携協定交渉の経緯を開示することは、相手方との信頼関係を損なうおそれがあること等から困難である旨示されたが、日・EU経済連携協定については、すでにEUの執行機関である欧州委員会のホームページで交渉に係る文書が公開されており、直近では第十七回会合の交渉内容が掲載されている(Report of the 17th EU-Japan FTA/EPA negotiating round Brussels, 26-30 September 2016)。交渉内容を文書で公開することに日EU間の合意があることは明らかであり、当該文書に示された範囲であれば、日本が交渉内容について公開してもEUとの信頼関係を損なうおそれはないことから、前記第十七回会合に係る文書で明らかにされているテーマなどについて、日本が重要と考え、交渉に力点をおいている内容、懸案・対立点などを示されたい。

二 前記一のEUが公開している第十七回会合に係る文書の前文および11.2に見られる「Animal Welfare」とは何か明らかにされたい。日・EU経済連携協定の交渉において「Animal Welfare」の議論が行われていることは、日本国内にはまったく伝わっておらず、場合によっては日本農業・畜産に多大な影響を与える問題となる。当該議論の内容を明らかにされたい。

三 EUでは日・EU経済連携協定の交渉内容をすべて議員・国民に開示しており、国民的議論および業界的対応が進んでいる。日・EU経済連携協定は、日本とEUが対等の立場で交渉し、各国の議員・国民も同協定の交渉内容を理解していることが前提の協定であるから、日本もEUと同様に同協定の交渉内容を議員・国民に開示する責務がある。TPP協定は構想段階から完全秘密主義であり、守秘義務があったが、日・EU経済連携協定にはそのような守秘義務はないと聞いており、同協定の交渉内容を開示できない根拠は何もないと考えるが、守秘義務など交渉過程を開示できない協約がEUとの間にあるのであれば、その根拠や内容を示されたい。

四 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の次回交渉会合は神戸で開催される。TPP協定では一度も開かれなかった日本での交渉会合であり、全国民的な関心事となる。答弁書二の2及び3についてと二の4についてではRCEPは現在交渉中であるため具体的内容や日本の産業および社会への影響を示すことは困難である旨示されたが、交渉会合においてどのようなことが交渉され、どのような影響が国民経済に発生するのかを政府は日本国民に伝える責務がある。これまでのRCEP交渉における議論の内容、発生しうる国民経済への影響、次回神戸会合で予定されている交渉テーマを明らかにされたい。

  右質問する。