質問主意書

第192回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第六八号

内閣参質一九二第六八号
  平成二十八年十二月二十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出国民年金法等の一部を改正する法律案のうち、短時間労働者への被用者保険の適用拡大及び国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料の免除に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出国民年金法等の一部を改正する法律案のうち、短時間労働者への被用者保険の適用拡大及び国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料の免除に関する質問に対する答弁書

一について

 社会保険料の事業主負担は、労働者が安心して就労できる基盤を整備することが事業主の責任であるとともに、事業主の利益にも資するという観点から事業主に求められているものである。
 政府としては、平成二十九年度予算において賃金引上げ等により人材確保を図る意欲的な事業主等を支援するキャリアアップ助成金を拡充するための所要の経費を計上するとともに、短時間労働者への被用者保険の適用拡大に係る制度の施行に向けた周知広報等を行うことにより、中小企業においても短時間労働者への被用者保険の適用拡大が進むよう事業主を支援してまいりたい。

二について

 御指摘の「適用状況に格差」の意味するところが必ずしも明らかではないが、各地方公共団体における平均的な賃金水準の差によって、短時間労働者への被用者保険の適用要件の一つである月収八万八千円以上という要件を満たすために必要となる労働時間に差があることは承知している。

三について

 各年度における国民年金の保険料の額は、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第八十七条第三項の規定により同項の表の上欄に掲げる月分についてそれぞれ同表の下欄に定める額に保険料改定率を乗じて得た額とされており、国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料の免除の制度が開始する平成三十一年度以後の各年度における保険料改定率は現時点で明らかでないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

四について

 国民年金第一号被保険者には自営業者や無業者も含まれており、これらの者に係る育児休業期間を観念することが困難であることや、仮に御指摘の期間に係る保険料を免除した上で当該期間に係る満額の年金額を給付することとした場合、その財源は国民年金第一号被保険者全体が負担する保険料によって賄われることになることを踏まえると、御指摘については、慎重な検討が必要であると考えている。