質問主意書

第192回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第六一号

内閣参質一九二第六一号
  平成二十八年十二月二十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員石橋通宏君提出モザンビーク農業開発のための三角協力プロサバンナ事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石橋通宏君提出モザンビーク農業開発のための三角協力プロサバンナ事業に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 「熱帯サバンナ農業開発プログラム」(以下「プロサバンナ事業」という。)に関して独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)が支出した金額について、現時点で確認している範囲では、平成二十二年度が約三百万円、平成二十三年度が約三億四千六百万円、平成二十四年度が約二億四千三百万円、平成二十五年度が約四億五千三百万円、平成二十六年度が約五億三千三百万円、平成二十七年度が約六億三千六百万円であると承知しており、これらの総額は約二十二億千四百万円となる。
 このうち、ナカラ回廊農業開発マスタープラン策定支援プロジェクト(以下「マスタープラン策定支援プロジェクト」という。)に関する支出の総額は、約六億四千八百万円であると承知しており、平成二十五年九月から平成二十八年三月までの支出額は、約三億千六百万円であると承知している。

三について

 マスタープラン策定支援プロジェクトについては、その基本的な方向性について一部の現地住民の理解を得られておらず、JICAにおいて、モザンビーク政府に対し農民組織や市民社会団体との対話を粘り強く続けるよう働きかけるなどの取組を引き続き行っているところであり、現在まで完了するに至っていない。

四について

 モザンビーク政府、ブラジル政府及びJICAの間で作成されたプロサバンナ事業に関するコミュニケーション戦略(以下「戦略」という。)の実施に関連して、JICAが行った契約の①契約日、②契約期間、③契約金額及び④支払額を、相手方企業の名称ごとに挙げると、次のとおりであると承知している。
 CV&A社 ①平成二十四年十二月十四日 ②二か月 ③十三万四千五百五十モザンビークメティカル ④十三万四千五百五十モザンビークメティカル
 ITMZ社 ①平成二十四年十二月二十一日 ②三か月と十四日 ③十六万千百九モザンビークメティカル ④零モザンビークメティカル
 COLINASMOZ社 ①平成二十五年一月十一日 ②同年三月三十日まで ③三十万千二百七十五モザンビークメティカル ④三十万千二百七十五モザンビークメティカル
 CV&A社 ①平成二十五年八月一日 ②三か月 ③一か月当たり二十八万六千六百五十モザンビークメティカル ④八十五万九千九百五十モザンビークメティカル
 CV&A社 ①平成二十六年六月二十日 ②三か月 ③一か月当たり二十七万四千九百五十モザンビークメティカル ④八十二万四千八百五十モザンビークメティカル

五について

 戦略に基づく活動は、ブラジル政府及びJICAとの協力の下、モザンビーク政府が実施するものと承知している。モザンビーク政府及びブラジル政府がこの活動のために支出した資金の総額については、承知していない。

六について

 御指摘の文書は、CV&A社が作成した、戦略の実施に当たっての参考文書であり、JICAとしての見解を示す文書ではないことから、政府として、その詳細について説明する立場にない。

七、八及び十四について

 政府として、プロサバンナ事業をめぐる様々な意見があることは承知しており、モザンビーク政府に対し、現地住民の人権に配慮し、農民組織や市民社会団体との丁寧な対話を粘り強く続けるよう働きかけるなどの取組を行ってきている。政府として、こうした取組を通じ、戦略に基づく広報活動を含むプロサバンナ事業が現地住民の理解を得られる形で実施されるよう努めていく考えである。
 また、他の政府開発援助事業の実施に際しても、引き続き、開発協力大綱(平成二十七年二月十日閣議決定)に基づき、相手国・社会に与える影響等に十分な配慮を行っていく考えである。

九について

 政府として、個人の発言の内容について確定的に説明する立場にない。

十から十三までについて

 御指摘のコンサルタント契約については、政府として、御指摘のようにJICAが特定の者に対して応札を要請した事実はなく、また、JICAが企画競争により選定した者との間で行ったものと承知しており、適切に行われたものと認識している。また、当該契約の金額には、その受注者が契約において定められた業務を行うために必要な経費が積算されているものと承知しているが、その内訳の詳細を明らかにすることは、当該受注者の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあることから、差し控えたい。