質問主意書

第192回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第五四号

内閣参質一九二第五四号
  平成二十八年十二月二十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小川勝也君提出ミツバチ等の花粉媒介生物(送粉者)の保護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川勝也君提出ミツバチ等の花粉媒介生物(送粉者)の保護に関する質問に対する答弁書

一について

 農林水産省及び環境省としては、蜜蜂等の動物による花粉の媒介は、多くの植物種の繁殖に寄与し、生態系の機能が持続するために重要な役割を果たしているとともに、果実、野菜等の農業生産においても重要な役割を果たしていると認識している。

二について

 花粉を媒介する動物(以下「花粉媒介動物」という。)のうち蜜蜂については、農薬に含まれる有効成分の蜜蜂に対する有害性が高い場合には、当該農薬の容器に蜜蜂に関する使用上の注意事項を付すこと、当該農薬を散布する際には養蜂家に事前に周知すること等により蜜蜂の農薬への暴露を防ぎ、被害の防止を図っているところである。また、農林水産省においては、都道府県や農薬製造者等と連携して、我が国における農薬による蜜蜂の被害の実態を把握するとともに、国内外の最新の知見の収集等を行っており、これらに基づき、農薬の使用規制を含めた必要な措置を検討していく方針である。

三について

 農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号)に基づく農薬の登録の審査においては、蜜蜂への影響試験の結果、農薬に含まれる有効成分の蜜蜂に対する有害性が高い場合には、当該農薬による蜜蜂への影響を防止するための注意事項が申請書に適切に記載されているかどうかについても審査しており、農薬製造者から申請があったスルホキシミン系農薬であるスルホキサフロルの登録の審査においても、この観点からの審査を行っているところである。

四について

 環境省としては、現時点では農薬による花粉媒介動物に対する影響に係る十分な科学的知見が得られているとは認識しておらず、現在、花粉媒介動物であるものも含めて、農薬が環境中で昆虫類に与える影響についての調査を実施しているほか、当該影響についてのリスク評価手法やリスク管理手法に係る検討を行うこととしている。