質問主意書

第192回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三五号

日本及び韓国による歴史共同研究の推進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年十一月十七日

藤末 健三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   日本及び韓国による歴史共同研究の推進に関する質問主意書

 昨年末に日本及び韓国の両政府において、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されることが合意され、両国関係は安定化に向けた取組を進めていると認識している。本年九月七日に行われた日韓首脳会談においては、安倍総理から朴槿恵大統領に対して、昨年末の合意以降、日韓関係が前向きに進展していることは大変喜ばしい、朴大統領と共に、未来志向の協力を進め、「日韓新時代」を築いていきたい旨が述べられている。このように日韓関係が改善されつつある中で、是非とも日韓歴史共同研究を再開すべきと考える。
 日韓間においては、歴史認識に関する相互理解の促進を目的として、歴史共同研究が二期に渡って行われている。第一期の歴史共同研究は、平成十三年の日韓首脳会談の合意に基づき、平成十四年から平成十七年にかけて行われ、同年六月に報告書が公開された。第二期の歴史共同研究は、平成十七年の日韓首脳会談の合意に基づき、平成十九年から平成二十二年にかけて行われ、同年三月に報告書が公開されている。しかしながら、これらの歴史共同研究の成果は両国の歴史問題に着地点を見出すには不十分であったのではないかと考える。
 なお、ドイツとフランスは、両国共通の歴史教科書を作成することによって、両国の歴史認識の相互理解を深めたとも聞いている。
 右を踏まえ、以下質問する。

一 政府は、二期に渡って行われた日韓歴史共同研究をどのように評価しているか。また、日韓関係の改善が進む中で、是非とも第三期日韓歴史共同研究を開始すべきと考えるが政府の考えを伺いたい。

二 ドイツとフランスによる共通の歴史教科書作成の取組を参考に日韓の歴史共同研究を進めてもらいたいと考えるが、ドイツとフランスによる同取組について政府は調査を行っているか。

三 日韓歴史共同研究に加えて、日本は、中国との間でも日中歴史共同研究を実施しており、平成二十二年一月に報告書を公表しているところである。本年、日本での開催が予定される日中韓首脳会談において、日中韓三か国による歴史共同研究の開始に合意して頂きたいと考えるが政府の考えを伺いたい。

  右質問する。