質問主意書

第192回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一七号

拉致・核・ミサイル問題の包括的解決に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年十月二十八日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   拉致・核・ミサイル問題の包括的解決に関する質問主意書

 平成二十八年二月十日、日本は拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決するため、北朝鮮に対して独自の措置(以下「独自措置」とする)を実施することを決定しました。その効果と今後の対応について質問します。

一 独自措置の実施の決定からすでに八か月以上経過しました。独自措置の実施により、拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決するという目的はどの程度達成されたのですか。政府の現状認識を明らかにして下さい。

二 独自措置の実施後においても、北朝鮮は核実験を行い、弾道ミサイルを累次にわたり発射しています。また、ストックホルム合意に基づく調査報告も行っていません。この現状に鑑み、政府は独自措置に何らかの欠陥があるという認識をお持ちですか。

三 独自措置は、実施の理由の一つに拉致問題がいまだ解決に至っていないことを挙げています。この独自措置においても、拉致問題が核・ミサイルの問題に優先する最重要課題と位置付けられているのですか。

四 平成二十八年七月、米国は北朝鮮における人権侵害を理由として、北朝鮮の個人、団体を制裁の対象として指定しました。政府は、北朝鮮による核・ミサイル開発を阻止するために北朝鮮における人権侵害問題を持ち出す米国の姿勢を歓迎していますか。

五 現在、国連及び国際社会は、安全保障上の理由から北朝鮮における核・ミサイル・人権の問題を一体的に解決しようと連携を深めています。こうした状況下において、日本が核・ミサイル問題と拉致問題を切り離し、拉致問題について北朝鮮と単独交渉をすることは可能でしょうか。また、政府はそのような方針をお持ちでしょうか。

  右質問する。