質問主意書

第190回国会(常会)

答弁書


答弁書第五一号

内閣参質一九〇第五一号
  平成二十八年二月二十三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員大久保勉君提出日本銀行によるマイナス金利導入と国会答弁との関係に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大久保勉君提出日本銀行によるマイナス金利導入と国会答弁との関係に関する再質問に対する答弁書

一について

 日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第三条の趣旨は、「日本銀行法の改正に関する答申」(平成九年二月六日金融制度調査会)において、「今般の日本銀行改革の基本的考え方は、日本銀行の金融政策(通貨及び金融の調節)の独立性の強化とその政策運営の透明性の確保にある」及び「金融政策が国民生活に大きな影響を与えうるものであることにかんがみれば、日本銀行の金融政策の独立性の強化が国民の支持を得るためには、政策の決定主体を明確にするとともに、その決定過程の透明性を高め、国民や国会に対するアカウンタビリティー(説明責任)を伴ったものとする必要がある」とされていること等を踏まえたものである。

二について

 お尋ねの「黒田答弁」と「決定会合」の結果との整合性については、黒田東彦日本銀行総裁(以下「黒田総裁」という。)は、衆議院規則第八十五条の二、参議院規則第百八十六条等の規定に基づき、参考人として、金融政策について国会で答弁を行っており、その答弁の内容について、政府として見解を述べることは差し控えたい。また、当該整合性を欠いているにもかかわらずとの前提による「日本銀行による説明は行われていない。「これは日本銀行法第三条第二項に違反する」」とのお尋ねについては、政府として一概に申し上げることは困難である。

三について

 お尋ねの「黒田答弁」と「決定会合」の結果との関係性については、二についてで述べたとおり、政府として見解を述べることは差し控えたい。また、当該関係性が明らかになっていないとの前提による「政策の決定過程の「透明性」が低く、日本銀行の金融政策運営の独立性への国民の支持が得られない」とのお尋ねについては、政府として一概に申し上げることは困難である。

四について

 お尋ねの「黒田答弁」と「決定会合」の結果との関係性については、二についてで述べたとおり、政府として見解を述べることは差し控えたいが、日本銀行法第五十四条第三項においては、「日本銀行の総裁若しくは政策委員会の議長又はそれらの指定する代理者は、日本銀行の業務及び財産の状況について各議院又はその委員会から説明のため出席することを求められたときは、当該各議院又は委員会に出席しなければならない」と規定されており、同法第三条第二項においては、「日本銀行は、通貨及び金融の調節に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない」と規定されているものと承知している。

五及び六について

 先の答弁書(平成二十八年二月十二日内閣参質一九〇第三五号)四について及び六については、衆議院規則第八十五条の二、参議院規則第百八十六条等の規定に基づく、日本銀行の金融政策についての国会での答弁についてのお尋ねであったことから、日本銀行法第三条第一項には「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」と規定されており、同条第二項には、「日本銀行は、通貨及び金融の調節に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない」と規定されていることを踏まえて、政府としては見解を述べることは差し控えたいとお答えしたところである。