質問主意書

第190回国会(常会)

答弁書


答弁書第二九号

内閣参質一九〇第二九号
  平成二十八年二月五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員有田芳生君提出東京オリンピック・パラリンピックに向けてのトイレ整備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員有田芳生君提出東京オリンピック・パラリンピックに向けてのトイレ整備に関する質問に対する答弁書

一から五まで及び八から十までについて

 政府としては、お尋ねの「トイレ担当部門」を設置することは考えておらず、また、お尋ねの「特別な委員会等」を設置しておらず、これを設置する計画を策定する予定もない。しかしながら、トイレに関する取組については、これまでも、例えば、平成二十六年から平成二十七年にかけて内閣官房が開催した「「暮らしの質」向上検討会」においてテーマの一つとして取り上げたところであり、現在は、「女性活躍加速のための重点方針二〇一五」(平成二十七年六月二十六日すべての女性が輝く社会づくり本部決定)に基づき、「暮らしの質の向上のための取組」の一つとして、関係省において、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「二〇二〇年東京大会」という。)に向けた取組も含めて、推進しているところである。
 お尋ねの「いわゆる多目的トイレ」及び「福祉トイレ」の意味が必ずしも明らかではなく、また、「トイレに関してどのような点に注意して準備を進めていくのでしょうか」及び「後者の場合は、省庁の管轄はどうなりますか」とのお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、国立霞ヶ丘競技場陸上競技場を改築して新たに整備する国立競技場等の二〇二〇年東京大会の競技会場において整備すべきトイレの数や種類、整備されたトイレのうちの一定数のものについて利用者を障害者に限定するかなどについては、常設のトイレにあっては各競技会場の整備主体が決定するものであり、二〇二〇年東京大会の開催のために備え付けられる仮設のトイレにあっては公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下「組織委員会」という。)が各整備主体と協議した上で決定するものと認識しており、お尋ねの「統一的に検討する官庁」は設けておらず、また、政府として、方針及び計画を有しているものではなく、各整備主体又は組織委員会に対して指導監督を行うものでもない。
 なお、二〇二〇年東京大会の競技会場については、組織委員会が策定する「Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)に基づいて整備することが求められており、ガイドラインの「(ハード編)暫定基準」においては、車椅子を使用して移動及び転回するための空間が設けられているといった特長を有するトイレである「アクセス可能なトイレ」を、車椅子使用者等の「アクセス可能なトイレ」を必要としている利用者十五人当たり一箇所設置することが妥当とされている。各競技会場においては、ガイドラインに基づいて「アクセス可能なトイレ」が整備されるものと認識している。

六について

 お尋ねの「公共施設」の具体的な範囲が必ずしも明らかではなく、また、「どのように担当するのでしょうか」とのお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、全国の国が管理する施設におけるトイレについては、国がその整備を担当しており、二〇二〇年東京大会に向けた整備についても国が担当する。また、全国の地方公共団体が管理する施設におけるトイレについては、当該施設を管理する地方公共団体がその整備を担当しているものと認識しており、二〇二〇年東京大会に向けた整備についても当該施設を管理する地方公共団体が担当するものと認識している。

七について

 お尋ねについては、二〇二〇年東京大会に向け、訪日外国人に対して日本のトイレの使用方法を周知するため、経済産業省において、民間団体と協力して、パンフレットの配布等を通じた広報活動や外国人にも分かりやすい絵文字によるトイレの機能に関する表記方法の統一化に向けた取組等を進めているところである。