質問主意書

第190回国会(常会)

答弁書


答弁書第二七号

内閣参質一九〇第二七号
  平成二十八年二月二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員和田政宗君提出元慰安婦支援のための韓国国内財団への資金拠出に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員和田政宗君提出元慰安婦支援のための韓国国内財団への資金拠出に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 大韓民国との間では、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(昭和四十年条約第二十七号)第二条1において、「両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が・・・完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認」しているとの我が国の立場に変わりはない。平成二十七年十二月二十八日の日韓外相会談後の共同記者発表で発表された我が国政府の予算による措置(以下「当該予算措置」という。)については、日韓両政府が協力し、全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うものである。

三について

 御指摘の「憲法第八十九条の後半部分」は、「公金その他の公の財産は、・・・公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」と規定しているが、その趣旨は、一般に、公金その他の公の財産が慈善、教育又は博愛の事業を援助するという美名の下に乱費されること、公の機関がこれらの事業に不当な干渉を及ぼすこと等を回避することにあると解されている。その上で、当該予算措置に係る事業は、一及び二についてで述べたとおり、日韓両政府が協力し、全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのために行うものであり、同条の「慈善、教育若しくは博愛の事業」に当たるものではないと考えている。