質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第一二五号

戦没者の遺骨収集の推進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年五月二十六日

糸数 慶子   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   戦没者の遺骨収集の推進に関する質問主意書

 民間人を巻き込み多くの犠牲者を出した沖縄戦から七十年以上が経過したが、沖縄では未だ多くの遺骨が収集されておらず、全ての収集にどれだけの時間がかかるのかも分からないのが現状である。今国会で戦没者の遺骨収集の推進に関する法律(以下「本法律」という。)が成立したが、遺族の方々の高齢化に伴い戦没者の遺骨収集と身元の特定は喫緊の課題となっていると考える。第二次世界大戦中、国内で唯一の地上戦が行われ、多くの犠牲者を出した沖縄の歴史を踏まえ、できることは全てやる姿勢で戦没者の遺骨収集に取り組むべきであると考える。よって、以下質問する。

一 本法律には、戦没者の遺骨収集を計画的かつ効果的に推進するよう必要な措置を講ずるとあるが、戦没者の遺骨のDNA鑑定において遺骨の検体を歯のみと限定している。効果的に推進するためには沖縄で保管されている四肢骨も検体対象にすべきであると考える。なぜ四肢骨を検体対象としないのか答弁されたい。

二 現在DNA鑑定の鑑定機関は沖縄県外にあるが、沖縄では身元不明の遺骨が数多く見つかっている。DNA鑑定を県内で行うことはできないか。また、その予定はあるか答弁されたい。

三 DNA鑑定に必要な遺族DNAデータの収集について、遺族側のDNA鑑定は、対象拡大の実効可能性について検証するために、部隊記録等の資料が残っている沖縄県内四地域(真嘉比、幸地、平川、経塚)の戦没者の遺族から行われるとのことであるが、四地域以外の住民犠牲者の遺族に対するDNA鑑定も早急に行うべきだと考える。他の遺族に対してはいつから鑑定を行う予定か答弁されたい。

四 本法律には、厚生労働大臣が戦没者の遺骨収集に関する活動を行う法人を指定することができるとあるが、沖縄で遺骨収集を行う場合にもその法人が行うのか。また、沖縄県には公益財団法人沖縄県平和祈念財団が設置する遺骨収集情報センターがすでに存在し、戦没者遺骨情報の収集・整理や戦没者遺骨の収骨などの事業を行っているが、同センターを活用したり同センターと連携したりする予定はあるか答弁されたい。

  右質問する。