質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第一二〇号

熊本県における地震による被災中小企業への早期支援に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年五月二十三日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   熊本県における地震による被災中小企業への早期支援に関する質問主意書

 平成二十八年四月十四日に発災した熊本県における地震では、県内企業の九十九%を占め、約五万三千社ある中小企業の多くが甚大な被害を受けており、政府の資料によれば、その損害額は約一千六百億円となっている。
 発災後、被災地に入り、様々な声を聞いたところ、被災した中小企業の事業主からは、「とにかく早急に生産を再開しなければ、顧客を他社に奪われてしまう。工場再開への国の支援が必要である」との要望が特に多かった。また、熊本商工会議所の調査によれば、平成二十八年四月に訪問した百五十五社のうち、「建物の建て替えや修理が必要」は六十三%、「機械や備品の損傷」も五十五%あったと報道されている。
 これらを踏まえ、今般の地震による被災中小企業への早期支援について、以下質問する。

一 平成二十八年度補正予算で、いわゆる「グループ補助金」のような補助金を新設すると思われるが、同補助金の予算規模や募集期間、支援対象企業数、補助上限等について、政府はどのように考えているのか、見解を示されたい。
 特に、一日でも早く工場等の復旧や再開に着手できるようにすることが被災中小企業にとっては肝要である。例えば、そうした作業に必要な土木・建設事業者や機械が被災地に優先的に向かうようなインセンティブを政府が設けること等が必要であると考えるが、こうした点について政府はどのような配慮を行うことを考えているのか、併せて、見解を示されたい。

二 平成二十八年四月十四日の発災以降、政府及び株式会社日本政策金融公庫等の政策金融機関、信用保証協会は特別相談窓口の設置、被災中小企業の既往債務の負担軽減、災害復旧貸付、セーフティネット保証等の各種施策を講じてきたと承知しているが、これらの利用状況について示されたい。また、予算、税制を活用した新たな追加措置を講じる必要性はないのか、政府の見解を示されたい。

三 小規模事業者持続化補助金を始めとした中小企業・小規模事業者向けの補助金については、被災した熊本県全域及び大分県の一部での公募期間を延長するほか、同被災地域に補助金を重点配分することが必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。

四 商店街の被災状況はどのようになっているのかを示した上で、復旧に向けてどのような施策をどのようなタイムスケジュールで行っていくのか、政府の見解を示されたい。

五 熊本県に誘致した企業が今般の地震を契機に、今後の事業環境に不安を感じ、県外に移転してしまうといった事態に対する懸念もあるが、こうした点に対し、どのような対策を講じていくのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。