質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第一一四号

尖閣諸島における核兵器、化学兵器、生物兵器等の大量破壊兵器の使用の憲法解釈に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年五月十六日

白 眞勲   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   尖閣諸島における核兵器、化学兵器、生物兵器等の大量破壊兵器の使用の憲法解釈に関する質問主意書

 政府は、平成二十六年七月一日の閣議決定において、憲法解釈を変更し、武力行使の要件を改め、集団的自衛権の限定行使を容認している。私が提出した「政府が集団的自衛権の行使を認める中での核兵器使用の憲法解釈に関する質問主意書」(第百九十回国会質問第九七号)において、武力行使の新三要件の下、第一要件においては「我が国に対する武力攻撃が発生した」場合のみならず、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合においても、憲法上は全てのあらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているとは考えていないとの従来の憲法解釈は変更されていないということでよいのか質したことに対して、答弁書(内閣参質一九〇第九七号)では、憲法第九条と核兵器との関係について「この法理上の考え方に変更はない。」との答弁が示された。
 また、私が提出した「政府が集団的自衛権の行使を認める中での毒ガス等の化学兵器、細菌・ウイルス等の生物兵器といった大量破壊兵器の使用の憲法解釈に関する質問主意書」(第百九十回国会質問第一〇一号)に対する答弁書(内閣参質一九〇第一〇一号)では、毒ガス等の化学兵器及び細菌・ウイルス等の生物兵器の使用に関して、「あえてお尋ねの憲法第九条との関係についての純法理的な問題としては、先の答弁書(平成二十八年四月十五日内閣参質一九〇第九七号)においてお答えしたところと同様である。」との答弁が示された。
 さらに、私が提出した「政府が集団的自衛権の行使を認める中での公海上における核兵器、化学兵器、生物兵器等の大量破壊兵器の使用の憲法解釈に関する質問主意書」(第百九十回国会質問第一〇六号)において、公海上で核兵器、化学兵器、生物兵器等の大量破壊兵器を使用することは憲法上禁じられていないのか質したことに対して、答弁書(内閣参質一九〇第一〇六号)では、「先の答弁書(平成二十八年四月十五日内閣参質一九〇第九七号)及び先の答弁書(平成二十八年四月二十六日内閣参質一九〇第一〇一号)一及び二についてでお答えしたとおりである。」との答弁が示され、公海上で核兵器、化学兵器、生物兵器等の大量破壊兵器を使用することが憲法上認められる場合があることを政府は否定しなかった。
 これらの答弁書を踏まえて、以下質問する。

一 武力行使の新三要件の下、我が国の領域内において、核兵器の使用が憲法上は禁じられているわけではないと考えてよいのか。

二 武力行使の新三要件の下、我が国の領域内において、毒ガス等の化学兵器、細菌・ウイルス等の生物兵器といった核兵器以外の全てのあらゆる種類の大量破壊兵器の使用が憲法上は禁じられているわけではないと考えてよいのか。

三 前記一及び二において、その使用が憲法上禁じられているわけではないとした場合、それは尖閣諸島において使用するときも同様か。

四 我が国の領域内において、核兵器、化学兵器、生物兵器等の大量破壊兵器を使用することが憲法上禁じられているわけではないとした場合、その使用により、我が国の住民に甚大なる被害をもたらし、あるいは我が国の領域に深刻な汚染を引き起こす可能性があるが、にもかかわらずそれでも憲法上、禁じられていないということでよいのか。

  右質問する。