質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第九四号

病児保育の充実に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年三月三十日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   病児保育の充実に関する質問主意書

一 頼れる身内が近くにいない共働き世帯が増え、看護休暇も普及していない現状において、病児保育はニーズの高い保育サービスの一つである。それにも関わらず、平成二十六年時点で病児保育事業を行っている施設は全国で千八百三十九か所にとどまっている。
 平成二十七年の保育所及び認定こども園は全国で二万六千三百六十九か所であったことから、単純計算で病児保育施設一か所当たり約十四か所の保育所等をカバーしなければならない計算となり、施設数は到底十分とは言えない。
 私はこれまで病児保育の施設の整備を促進すべきと何度も国会で取り上げてきたが、この度ようやく、子ども・子育て支援法の改正により、病児保育施設整備費が子ども・子育て支援整備交付金の新規対象となる見込みである。
 今回の改正自体は、もちろん歓迎すべきではあるが、なぜここまで対応が遅れたのか、また、病児保育の重要性について、政府はどのように認識しているのか、それぞれについて見解を明らかにされたい。

二 保育所では、子どもの体温が三十七・五度を超えると預かってもらえないことが多い。そのため、保育所に預けた後に熱が出た場合、その都度、保護者が保育所まで迎えに行かなければならない。特に集団保育に入った最初の年は、様々な感染症に罹患しやすく連日熱を出す子どもも多いため、仕事を休まなければ対応できない共働きやひとり親家庭にとって大きな負担となっている。
 今回、子ども・子育て支援交付金の拡充により、体調不良児を送迎し、病児を保育するために必要となる看護師雇上費等が補助されることになり、ようやく問題の解消に向けて一歩踏み出した状況である。
 そこで、体調不良児の送迎制度について利用者負担の設定や送迎の担当者を看護師に限定するのか等を含めて、どのような制度設計とされるのか、政府の方針を明らかにされたい。

三 体調不良児の送迎にあたっては、付き添いもさることながら、交通手段についても配慮が必要である。政府は体調不良児の送迎の交通手段については、どのような方針をもっているか。また、体調不良児の送迎の際に、医療搬送の経験のある福祉タクシーを活用することも一案かと考えるが、この提案に関してはどのように考えるか。

  右質問する。