質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第三五号

日本銀行によるマイナス金利導入と国会答弁との関係に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年二月四日

大久保 勉   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   日本銀行によるマイナス金利導入と国会答弁との関係に関する質問主意書

 日本銀行は、本年一月二十九日の金融政策決定会合(以下「決定会合」という。)で、マイナス金利の導入を決定した。しかし、日本銀行の黒田東彦総裁は、一月十八日の参議院予算委員会で、「日銀当座預金への付利、これはこうした大量のマネタリーベースを円滑に供給することに資するものであるというふうに考えておりまして、いわゆる付利金利の引下げということについては検討はいたしておりません」と答弁している(以下「予算委答弁」という。)。また、一月二十一日の参議院決算委員会でも、「現時点ではマイナス金利ということを具体的に考えているということはございません」と述べている(以下「決算委答弁」という。)。この両答弁と決定会合の結果との関係について疑義が生じているため、以下、質問する。

一 日本銀行金融政策決定会合に関わる現在及び将来の金融政策について、事実と異なる虚偽の答弁を許容するという法令上又は慣行上その他の根拠を政府が承知していれば、明らかにされたい。

二 日本銀行の黒田総裁は、決定会合後の記者会見で、「先週末にダボスに参りましたが、実はその前に、「帰国した後、仮に追加緩和を行うとしたら、どのようなオプションがあるか検討してくれ」と事務方に言って行きました」と述べている。本発言における、「その前」とは具体的にいつのことか、政府の承知するところを明らかにされたい。

三 政府は、マイナス金利の導入について、決定している又は検討しているとの説明を、決定会合以前に日本銀行より受けていた事実があるか、明らかにされたい。

四 予算委員会、決算委員会又は財政金融委員会等、国会の委員会において、日本銀行総裁が事実と異なる虚偽の答弁を行った場合、一般的にどのような法的又は道義的責任が生じるか、政府の見解を明らかにされたい。

五 予算委答弁及び決算委答弁について、日本銀行総裁が少なくとも誤解を与えかねない発言を繰り返すことにより、日本銀行への信頼が毀損する恐れはあり得るか、政府の見解を示されたい。

六 予算委答弁及び決算委答弁と決定会合の結果との整合性について、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。