質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第二四号

より柔軟な所得連動返還型奨学金及び給付型奨学金の早期導入に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年一月二十二日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   より柔軟な所得連動返還型奨学金及び給付型奨学金の早期導入に関する質問主意書

 平成二十六年八月二十九日、文部科学省に設置された「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」は、より柔軟な所得連動返還型奨学金の導入に向けた整備の加速や給付型奨学金の創設に向けた検討等について報告を取りまとめた。また、同日閣議決定された「子どもの貧困対策に関する大綱」においても、無利子奨学金の充実を図ること、より柔軟な所得連動返還型奨学金の導入の検討を進めることなどが重点施策として示された。
 こうした政府の取組を踏まえ、より柔軟な所得連動返還型奨学金及び給付型奨学金について、以下質問する。

一 憲法第十四条及び第二十六条、児童の権利条約第二十八条の趣旨を踏まえれば、本来、奨学金は給付型とするべきであるが、貸与型とする場合であっても無利子とするべきであると考える。公的機関の奨学金であるにもかかわらず、独立行政法人日本学生支援機構がその奨学金に利子を付していることについて、政府はどのように考えているのか、見解を示されたい。

二 政府は、無利子奨学金の拡充を掲げているが、有利子と無利子の割合の在り方、両者の割合をいつまでにどの程度とすべきかについてどのように考えているのか、見解を示されたい。

三 所得の捕捉が容易なマイナンバー制度の導入を踏まえ、政府は、平成二十九年度を目途に、現行の所得連動返還型無利子奨学金に替えて、返還金額が卒業後の所得に連動するより柔軟な所得連動返還型奨学金の導入を目指すとしており、平成二十八年度予算においてもシステム開発費等を計上している。現在において想定している同奨学金の制度概要と具体的な検討課題について、今後のスケジュールも含め、政府の見解を示されたい。

四 現行の大学等の授業料減免制度の拡充に加え、給付型奨学金の創設は不可欠であると考える。馳文部科学大臣も、本年一月十八日の参議院予算委員会において、給付型奨学金の必要性を認識し、制度設計について考えている旨の答弁をしていることから、直ちに政府内で協議を開始し、一日も早く制度を実現するべきである。給付型奨学金の創設に向けた政府の見解及び想定される論点について具体的に示されたい。

  右質問する。