質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第三六〇号

内閣参質一八九第三六〇号
  平成二十七年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員小西洋之君提出いわゆる安保法制懇報告書における二つの考え方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出いわゆる安保法制懇報告書における二つの考え方に関する質問に対する答弁書

 お尋ねの「二つの異なる考え方」のうち、一つの「個別的か、集団的かを問わず、自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上、合法な活動には憲法上の制約はないとするもの」については、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が平成二十六年五月十五日に提出した報告書(以下「報告書」という。)の十八ページの「憲法第九条第一項の規定(「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」)は、我が国が当事国である国際紛争の解決のために武力による威嚇又は武力の行使を行うことを禁止したものと解すべきであり、自衛のための武力の行使は禁じられておらず、また国連PKO等や集団安全保障措置への参加といった国際法上合法的な活動への憲法上の制約はないと解すべきである。」との箇所及び十九ページの「憲法第九条第二項は、第一項において、武力による威嚇や武力の行使を「国際紛争を解決する手段」として放棄すると定めたことを受け、「前項の目的を達するため」に戦力を保持しないと定めたものである。したがって、我が国が当事国である国際紛争を解決するための武力による威嚇や武力の行使に用いる戦力の保持は禁止されているが、それ以外の、すなわち、個別的又は集団的を問わず自衛のための実力の保持やいわゆる国際貢献のための実力の保持は禁止されていないと解すべきである。」との箇所に記述があり、もう一つの「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許されるとの考え方」については、報告書の二十二ページの「我が国においては、この集団的自衛権について、我が国と密接な関係にある外国に対して武力攻撃が行われ、その事態が我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるときには、我が国が直接攻撃されていない場合でも、その国の明示の要請又は同意を得て、必要最小限の実力を行使してこの攻撃の排除に参加し、国際の平和及び安全の維持・回復に貢献することができることとすべきである。」との箇所に記述がある。
 お尋ねの「その根拠」については、その意味するところが必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。