質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第三四六号

内閣参質一八九第三四六号
  平成二十七年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出高齢者に対する在宅歯科診療の推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出高齢者に対する在宅歯科診療の推進に関する質問に対する答弁書

一について

 在宅療養支援歯科診療所の施設基準における歯科衛生士の配置については、高齢者の在宅等における療養を歯科医療面から支援する歯科診療所の機能を評価する目的で創設された要件であり、現時点で当該要件の見直しは考えていない。

二について

 診療報酬の支払の対象となる歯科訪問診療については、効率的な歯科医療提供の観点、緊急時の対応、地域における他の施設との連携などによる適切な歯科医療の提供等から、保険医療機関の所在地と患家の所在地との間の距離が十六キロメートル以内の場合を対象としているところであるが、こうした取扱いの在り方については、歯科医療の実態等を踏まえながら、必要に応じて中央社会保険医療協議会において検討してまいりたい。

三について

 平成二十二年度厚生労働科学研究費補助金による「介護保険の総合的政策評価ベンチマーク・システムの開発」の研究報告書においては、「歯がほとんどなく義歯を使用していない者、あまり噛めない者、およびかかりつけ歯科医院がない者は認知症を伴う要介護認定のリスクが高かった」ことが指摘されているが、口腔機能の向上を図ることが認知症を予防する方法として十分に確立されていないことから、現時点において、御指摘の「認知症の予防のため、要介護認定を受けた全ての高齢者に対し、口腔機能のアセスメントの実施」を行うことは考えていない。

四について

 御指摘の「医療連携の更なる推進」については、政府としても医療の質の向上や効率的な医療の提供のために重要であると考えており、これまでも地域の医療機関等の間で診療情報等の患者の情報をICTを活用して共有する地域医療情報連携ネットワークの全国各地への普及の推進等を行ってきたところであるが、ICTを活用した医療情報連携の診療報酬上の評価の在り方については、今後の課題であると認識しており、中央社会保険医療協議会において検討してまいりたい。

五について

 政府としては、要介護者が適切に通院できる環境を整備することは重要と考えており、要介護者が通院をする際に、車両への乗車又は降車について介助が必要な場合があることから、訪問介護員が乗車又は降車について介助した場合には、当該介助について介護報酬を算定できることとしている。