質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第三三九号

内閣参質一八九第三三九号
  平成二十七年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出いじめ撲滅に向けた更なる取組に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出いじめ撲滅に向けた更なる取組に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねのような「いじめの重大事案」の発生については、様々な要因が考えられることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、深刻な問題であると認識しており、地方公共団体や学校等と連携しつつ、対策を一層進めていくことが重要であると考えている。

二について

 文部科学省においては、お尋ねの、岩手県紫波郡矢巾町において生徒が自殺した事案(以下「本件事案」という。)に関し、当該生徒が在籍していた中学校が調査した結果を平成二十七年七月二十六日に取りまとめた報告書を入手しており、同報告書には、いじめに関するアンケート等がいじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号。以下「法」という。)第十三条の規定に基づき定められた当該中学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針のとおりに実施されていなかったこと、法第二十二条の規定に基づき置かれたいじめの防止等の対策のための組織(以下「いじめ対策組織」という。)がいじめ防止のための取組等の確認を行う組織としては機能していなかったこと、本件事案に係る情報を教職員が共有できなかったこと等が記載されている。

三について

 文部科学省としては、本件事案を受けて、平成二十七年八月四日に、各都道府県教育委員会等に対し、いじめについてはいじめ対策組織を活用して組織的に対応すべきこと等各学校が点検すべき具体的な項目を示しつつ、その点検結果を踏まえ必要な措置をとるべきこと等を通知したところであり、各学校に対しても、各都道府県教育委員会等を通じ、当該通知の周知徹底を図ったところである。今後とも法に沿った対応が適切に行われるよう、指導に努めてまいりたい。

四について

 少人数学級については、児童生徒に対するきめ細かな指導の一層の充実等に資するものであり、いじめへの対応を含め、生徒指導上一定の効果があるものと考えている。また、スクールカウンセラーは、児童生徒の臨床心理に関する高度に専門的な知識及び経験に基づいて、児童生徒に対する心理カウンセリングや教職員等に対する児童生徒への接し方についての助言を行うなど、学校における教育相談体制の中で重要な役割を果たしているものと認識しており、いじめ等の教育上の課題に適切に対応する上で、教職員がスクールカウンセラー等の外部専門家と連携することは効果的であると考えている。

五について

 いじめの実態把握については、各学校において、教職員が児童生徒から直接状況を聞く機会を定期的に設けることが重要であると考えている。このため、文部科学省においては、これまでも、各都道府県教育委員会等に対して、全ての学校において児童生徒を対象としたアンケート調査の実施を求めるとともに、各学校の実情に応じて、教職員と児童生徒との個別面談や、児童生徒が教職員に日常的に提出する日記等の活用等の取組が行われるよう指導してきたところであり、今後ともより一層の指導に努めてまいりたい。