質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第三一八号

内閣参質一八九第三一八号
  平成二十七年十月二日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員山本太郎君提出「国際平和支援活動」における自衛隊員の安全確保に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出「国際平和支援活動」における自衛隊員の安全確保に関する質問に対する答弁書

一について

 平成二十七年九月十九日に成立した我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律(平成二十七年法律第七十六号。以下「改正法」という。)及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律(平成二十七年法律第七十七号。以下「国際平和協力支援活動法」という。)は、我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容するとともに、更に変化し続け、我が国は複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に直面していること等を踏まえ、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くとともに、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の下、国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献するためのものであり、政府としては、このような目的の速やかな実現を目指したものである。

二及び三について

 国際平和協力支援活動法の規定に当てはまるかどうかの評価を過去に遡って行うことは困難であるが、御指摘の事案が旧イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)第二条第三項に規定する戦闘行為に該当したとは考えておらず、また、当該事案の発生により、同法第八条第五項の規定による一時休止等の措置を要する状況になったとは考えていない。

四について

 国際平和協力支援活動法第八条第六項の規定は、改正法による改正後の重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)第七条第六項の規定と同じであるが、これについて、平成二十七年九月二日の参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会において中谷国務大臣が、「例外的な場合といたしまして、既に遭難者が発見をされ、自衛隊の部隊等がその救助を開始をしているときは、まさに人道上の見地からの活動を継続することができるというふうになっておりますが、これはあくまでも部隊の安全が確保されている場合に限られるということを法律上明記をしております。安全が確保されていない状況下で活動を継続することはありません。」と答弁したとおりである。

五について

 国際平和協力支援活動法においては、国会の承認は、基本計画そのものではなく、対応措置の実施前に基本計画を添えて当該対応措置を実施することについて得ることとされているが、基本計画の変更と国会承認の関係については、国会による民主的統制の重要性に鑑み、当初の基本計画の枠を超えるような変更、すなわち、対応措置の同一性が保たれないような変更については、変更後の対応措置の実施について改めて国会承認が必要となるものと考えている。

六について

 お尋ねの「前線の直接戦闘行為による死傷者」及び「兵站に代表されるいわゆる後方支援活動中の死傷者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、お尋ねの「いわゆるイラク戦争、アフガニスタン戦争におけるアメリカ合衆国軍隊の死傷者」について政府としてお答えする立場にはない。

七について

 お尋ねの「兵站あるいは補給路に対するこれらの爆発装置等による攻撃及びその危険性」については、個別の状況に応じて異なるものであることから一概に申し上げることは困難であるが、いずれにせよ、国際平和協力支援活動法の規定に従い、また、十分な情報収集を行うことにより、安全を確保した上で協力支援活動を行うことは可能であると考えている。

八の1及び2について

 国際平和共同対処事態でなくなった場合におけるお尋ねの「活動の継続」及び「我が国と活動を共にしている」の意味するところや何のために「他に適当な手段が無く」としているのかが必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。