質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第三一五号

内閣参質一八九第三一五号
  平成二十七年十月二日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員山本太郎君提出原発に対するテロのリスクに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出原発に対するテロのリスクに関する質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねの「小型無人機による原子力事業所施設に対するテロのリスク」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子力関連施設等の重要施設に対するテロは、いわゆる小型無人機等によるものを含め、多様な形態により発生し得るものと考えている。

三について

 お尋ねの「原子力事業所施設が、テロ攻撃によって破壊されると、最悪の場合、どの程度の放射性物質の放出が想定されるか」については、個別具体的な状況によるため、一概にお答えすることは困難である。

四について

 御指摘の「原子力防災対策」については、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、防災基本計画(昭和三十八年六月十四日中央防災会議決定)及び原子力災害対策指針(平成二十四年十月三十一日原子力規制委員会決定)に基づき、道府県及び市町村においては、地域防災計画を作成しており、政府としては、原子力防災会議の下、関係府省庁による同計画の作成の支援等を行っている。
 同指針の目的は、「国民の生命及び身体の安全を確保することが最も重要であるという観点から、緊急事態における原子力施設周辺の住民等に対する放射線の影響を最小限に抑える防護措置を確実なものとする」ことであり、この目的を達成するため、同指針は、「原子力事業者、国、地方公共団体等が原子力災害対策に係る計画を策定する際や当該対策を実施する際等において、科学的、客観的判断を支援するため」に、専門的及び技術的事項等について定めるものとしている。
 今後も、政府としては、防災基本計画及び同指針に基づき、地域防災計画の改善強化に継続して取り組んでまいりたい。

五について

 御指摘の「テロのリスク」の意味するところが必ずしも明らかではないが、中東地域のみならず国際社会全体にとっての脅威となっているいわゆるISILについて、御指摘の平成二十七年一月十七日の日エジプト経済合同委員会会合での安倍内閣総理大臣のスピーチで言及するのは当然であり、我が国として、多くの難民・避難民を受け入れている中東諸国への連帯や人道支援を表明したものである。また、イスラエルを含む全ての中東諸国とバランスの取れた関係強化を図ることが我が国の中東外交の基本方針であり、「日本及び日本人、特に中東地域で活動する多くの日本人に対するテロのリスクを格段に高めた」との御指摘は当たらない。