質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第二四九号

内閣参質一八九第二四九号
  平成二十七年八月二十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出インターネット上の著作権侵害コンテンツ対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出インターネット上の著作権侵害コンテンツ対策に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、「知的財産推進計画二〇一五」(平成二十七年六月十九日知的財産戦略本部決定。以下「知財計画」という。)において、「インターネット上で国境を越えて我が国に対して模倣品・海賊版を発信するサイトや行為に対する措置の在り方について検討を行う」こととしている。

二について

 御指摘の「著作権侵害コンテンツ」の具体的な範囲及び御指摘の「自動的に検出するシステムを、より広く国民一般が利用できるよう普及させるべき」の趣旨が必ずしも明らかではないが、特定のウェブサイトを対象として著作権侵害に当たるコンテンツが掲載されているかどうかを監視するシステムを、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構が経済産業省の支援を受けて構築し、平成二十一年度より運営している。当該システムは、著作権者から提出された照合用映像データに係る著作権を侵害している可能性があるコンテンツを自動的に検出し、侵害していると認められた場合に、当該ウェブサイト運営者に対する削除要請を自動的に実施するものである。

三について

 お尋ねについては、知財計画において、「侵害発生国における模倣品・海賊版対策を強化するため、政府間協議や、官民一体となった相手国政府への働き掛けを実施する」等の取組を行っていくこととしている。

四について

 著作権に関する教育については、例えば、中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号)の技術・家庭科において、「著作権や発信した情報に対する責任を知り、情報モラルについて考える」こととし、また、高等学校学習指導要領(平成二十一年文部科学省告示第三十四号)の芸術科音楽Ⅰにおいて、「音楽に関する知的財産権などについて配慮し、著作物等を尊重する態度の形成を図るようにする」こととするなど、学校教育において生徒の発達段階に応じて適切に指導することとしている。今後とも、各学校において、学習指導要領に基づき、著作権に関する教育が着実に実施されるよう、都道府県教育委員会等を通じて指導してまいりたい。

五について

 交渉の具体的な内容についてお答えすることはできないが、環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉においては、著作権等の保護に関する規律について議論が行われている。
 知的財産の保護ルール策定に当たっては、知的財産の権利保護と利用促進とのバランスの取れた合意を目指しているところである。
 引き続き、我が国の国益を実現すべく交渉に当たる所存である。

六について

 現在TPP協定は交渉中であることから、今後の対応について予断をもってお答えすることは差し控えたい。