質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第二三九号

内閣参質一八九第二三九号
  平成二十七年八月二十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員川田龍平君提出日本原燃株式会社六ヶ所再処理工場の高レベル廃液のガラス固化に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出日本原燃株式会社六ヶ所再処理工場の高レベル廃液のガラス固化に関する第三回質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「この約二年間に各貯槽等から発生し水により回収された放射能総量」、「この約二年の期間においてガラス溶融炉へ供給された廃液中のセシウム一三七の何%が蒸発し、水により回収されたのか」及び「同期間におけるガラス溶融炉から発生したセシウム一三七の放射能回収総量」については、日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)から、日本原燃の再処理事業所再処理施設において高レベル放射性液体廃棄物(以下「高レベル廃液」という。)及び高レベル廃液以外の放射性物質を含む液体状の物質を内包する設備から発生する放射性物質を含む気体状の物質を水と接触させることによって回収した廃液(以下「回収廃液」という。)については、定期的に放射能分析を行っており、セシウム一三七が含まれていることを確認しているが、回収廃液のみの放射能の総量を管理しているわけではなく、回収廃液を含む高レベル廃液貯蔵設備に貯蔵される高レベル廃液の放射能の総量を管理しているため、具体的な数字を示すことはできないと聞いている。

二の1について

 お尋ねの「このときはなぜ固化設備内の各貯槽の液量の数値を出すことができたのか」については、日本原燃から、当該数値は、平成二十一年一月に発生した高レベル廃液の漏えい事象の発生に伴い、各貯槽の撹拌による水位の変動幅を考慮して保守的な前提条件を置いた上で算定した量であるためと聞いている。
 また、お尋ねの「各貯槽の水位については連続測定され記録されているのではないか」については、日本原燃から、各貯槽の水位について連続的に測定し記録を行っていると聞いている。

二の2について

 お尋ねの「供給槽Aの廃液中のセシウム一三七の濃度を、高レベル廃液混合槽Aの廃液の分析結果から算出した値」については、日本原燃から、高レベル廃液ガラス固化設備においては、高レベル廃液の放射能の総量を管理するための分析は行っておらず、当該値の算出は、漏えい事象の規模を把握することを目的に特別に分析を行い放射能量を推定したものであると聞いている。
 また、御指摘の「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律で定められている事業所外への廃棄に関する申請」は核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第五十八条第二項の規定に基づき、輸入廃棄物(核燃料物質等の工場又は事業所の外における廃棄に関する規則(昭和五十三年総理府令第五十六号)第二条第一項第三号に規定する輸入廃棄物をいう。以下同じ。)を事業所の外において廃棄する場合に求める確認の申請を意味するものと解されるところ、輸入廃棄物を事業所の外において廃棄する場合、事業所外廃棄確認に関する運用要領(平成二十六年原管廃発第一四○二二六六号原子力規制庁長官決定)に基づき、各ガラス固化体の全α及び全βγ放射能濃度を確認している。他方、国内で生じた放射性廃棄物を事業所の外において廃棄する場合については、輸入廃棄物と同様の確認を行うことが法令上義務付けられていないため、そのような確認は行っていない。
 また、お尋ねの「本当に分析していないのか」については、先の答弁書(平成二十七年七月二十八日内閣参質一八九第二○六号。以下「前回答弁書」という。)三についてでお答えしたとおりである。

二の3について

 お尋ねの「ガラス固化待ちの高レベル廃液の量と高レベル廃液に含まれるセシウム一三七の放射能量」については、前回答弁書三についてでお答えしたとおりである。
 また、お尋ねの「ガラス固化体に含まれるセシウム一三七の放射能量」については、日本原燃によれば、保守的な前提条件を置いた上で算定した平均放射能量として管理しているが、これは、日本原燃のノウハウ等に係る事項であるため、回答を差し控えたいとのことであり、政府としても、その量は承知していない。