第189回国会(常会)
答弁書第一二三号 内閣参質一八九第一二三号 平成二十七年五月十二日 内閣総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 山崎 正昭 殿 参議院議員川田龍平君提出再処理工場における高レベル放射性廃液の危険性と六ヶ所再処理工場のアクティブ試験の審査に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員川田龍平君提出再処理工場における高レベル放射性廃液の危険性と六ヶ所再処理工場のアクティブ試験の審査に関する再質問に対する答弁書 一について 日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)からは、平成二十七年三月四日時点において、日本原燃の再処理事業所再処理施設(以下「六ヶ所再処理施設」という。)における高レベル放射性液体廃棄物(以下「高レベル廃液」という。)に含まれている①放射性核種、②放射能量の推定値について、確認できる範囲でお示しすると、次のとおりであると聞いている。 ①ルテニウム一○六 ②約十四テラベクレル ①アンチモン一二五 ②約百七十テラベクレル ①セシウム一三四 ②約二千八百テラベクレル ①セシウム一三七 ②約五百二十ペタベクレル ①ユウロピウム一五四 ②約五千九百テラベクレル ①アメリシウム二四一 ②約十ペタベクレル ①キュリウム二四四 ②約九千三百テラベクレル 先の答弁書(平成二十五年二月二十六日内閣参質一八三第三一号)二の4についてでお答えした平成二十五年二月一日から、先の答弁書(平成二十七年三月十日内閣参質一八九第五五号。以下「前回答弁書」という。)一の2についてでお答えした平成二十七年三月四日までの間に高レベル廃液の貯蔵量が増加している理由について、日本原燃からは、六ヶ所再処理施設を管理するために必要な設備の運転により定常的に高レベル廃液が発生していることや、高レベル廃液を均質に保つために、水及び硝酸を定期的に供給しているためであると聞いている。また、日本原燃からは、同期間内に、高レベル廃液の実廃液を用いたガラス固化体を二十五体製造したと聞いている。 二について 御指摘の論文において、「冷却機能全喪失状態で高レベル廃液の沸騰時間を十五時間、掃気機能全喪失状態でプルトニウム溶液の水素爆発までに要する時間を二時間以上としている」ことと、前回答弁書一の2についてでお答えした平成二十三年六月九日付けで日本原燃から提出された「福島第一、第二原子力発電所等の事故を踏まえた再処理施設の緊急安全対策に係る実施状況報告(改正版)」において、「全交流電源供給機能が喪失した場合、現在貯槽に保有している高レベル濃縮廃液及びプルトニウム濃縮液が沸騰に至るまでの時間は一日程度」、「全交流電源供給機能が喪失した場合、水素濃度が可燃限界濃度に達するまでの時間が最も早い機器(高レベル廃液混合槽)で三十五時間程度」と評価されていることは、それぞれの評価の前提条件が異なるものと承知している。前者は、六ヶ所再処理施設の設計上想定されている条件等の下で評価をしているものであるのに対し、後者は、六ヶ所再処理施設の実態に即した条件の下で評価をしているものであり、これらを単純に比較してどちらの値が真実か評価することは適切ではないと考えている。 三について 前回答弁書一の3についてでお答えしたとおり、冷却機能の確保が、安全を確保するために重要と考えている。 |