質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第九三号

内閣参質一八九第九三号
  平成二十七年四月十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員浜田和幸君提出もんじゅに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田和幸君提出もんじゅに関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「もんじゅの総事業費」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、高速増殖原型炉「もんじゅ」(以下「もんじゅ」という。)の事業費及び事業費以外の関連経費については、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構のホームページに掲載されている。

二について

 「エネルギー基本計画」(平成二十六年四月十一日閣議決定)において、「もんじゅについては、廃棄物の減容・有害度の低減や核不拡散関連技術等の向上のための国際的な研究拠点と位置付け、これまでの取組の反省や検証を踏まえ、あらゆる面において徹底的な改革を行い、もんじゅ研究計画に示された研究の成果を取りまとめることを目指し、そのため実施体制の再整備や新規制基準への対応など克服しなければならない課題について、国の責任の下、十分な対応を進める。」とされており、政府としては、この方針に沿って、もんじゅの取組を進めることとしている。

三について

 現在、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会長期エネルギー需給見通し小委員会発電コスト検証ワーキンググループ(以下「ワーキンググループ」という。)において、各電源の発電コストについて検討が進められているところであるが、現時点において、何ら結論が出ているわけではないことから、発電コストの検証における御指摘の研究費の扱いについて予断することは差し控えたい。

四について

 御指摘の「一九五五年当時と同様の姿勢」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、原子力発電コストを含む各電源の発電コストについては、現在、ワーキンググループにおいて検討が進められているものの、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故後の平成二十三年に政府が行った各電源の発電コストについての試算によれば、原子力発電の発電コストは、他の電源の発電コストと比較して必ずしも高いものではなく、また、当該発電コストは、バックエンド費用、原子力発電所の事故のリスクへの対応費用等を含んでいることから、妥当なものであると考えている。また、エネルギー基本計画において、原子力発電については「燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できる低炭素の準国産エネルギー源として、優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である。」と位置付けた上で、「いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。」としている。さらに、同計画において、核燃料サイクルについては「我が国は、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針としている。」としている。