質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一八九第四号
  平成二十七年二月三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員吉田忠智君提出避難者の定義に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員吉田忠智君提出避難者の定義に関する質問に対する答弁書

一並びに五の2及び3について

 復興庁が毎月公表している「全国の避難者等の数」(以下「避難者数調査」という。)の調査方法については、調査開始当時に調査を担当していた内閣府及び消防庁が各都道府県に発出した平成二十三年五月二十七日付けの事務連絡(以下「事務連絡」という。)により、各避難場所で生活されている避難者の人数を把握するため、各都道府県内の市町村ごとの応急仮設住宅や民間賃貸住宅等に避難している避難者について、その避難場所の類型別の数字を全て各都道府県から内閣府に報告することを依頼しており、その同府の調査を引き継ぐ形で復興庁が避難者数を集計することとしている。
 事務連絡においては、埼玉県と他の都道府県との間で避難者数調査における避難者の定義に異なるところはない。
 また、平成二十六年八月に公表した避難者数調査における埼玉県の避難者数に関する補足説明の記載は、同県の避難者数が前月に比べて大幅に増加した理由を示したものである。

二の1及び2について

 平成二十六年七月以前の埼玉県の調査においては、事務連絡により示している避難場所の類型別の避難者数のうち、一部が報告されていなかったところであるが、避難者数調査は、各都道府県の協力の下、復興庁が集計するものであり、各都道府県においては、適宜、避難者数の把握方法の適正化を図っているところである。
 平成二十六年八月以降、避難者数調査の各都道府県における調査方法に関し、埼玉県に類似する事例について、同庁が調査を行ったことはないが、平成二十六年八月四日に同庁から各都道府県に連絡した避難者数調査における避難者の定義を改めて示している留意事項(以下「留意事項」という。)も踏まえ、各都道府県において調査が適切に実施されているものと認識している。

二の3について

 お尋ねの調査方法による避難者数は、埼玉県を除く各都道府県において把握していないため、お答えすることは困難である。

三について

 避難者数調査における避難者の定義については、事務連絡により各都道府県に示しており、各都道府県はこれに則して避難者数調査を適切に実施しているものと考えているが、留意事項により当該定義を改めて示している。
 留意事項におけるお尋ねの「前の住居に戻る意思を有するもの」との記載は、避難者数調査の避難者か否かの判断に当たっては、住民票を移転する等の外形的な状況のみではなく、避難者本人の意思を尊重することが重要であることから示したものである。また、お尋ねの「前の住居に戻る意思を有しない」者については調査対象としておらず、当該者の人数、世帯数、推移等の把握は行っていないところであるが、当該者に対しても、その要望等に応じて災害公営住宅への入居やコミュニティ形成への支援等を行っているところである。

四について

 避難者数調査については、事務連絡により、各都道府県内の市町村ごとの避難場所の類型別の避難者数を全て都道府県が復興庁に報告することを依頼しており、不適切との御指摘は当たらないと考えている。

五の1について

 御指摘の全国避難者情報システムにおける避難者とは、「東日本大震災等に伴い、平成二十三年三月十一日現在の住所地を離れて避難している者(外国人住民を含む。)」をいうものである。
 全国避難者情報システムは、避難者が避難先の所在地等の情報(以下「避難先情報」という。)を任意に避難先市町村に登録することにより、避難先情報が避難元の地方公共団体に提供される仕組みであり、総務省では避難先情報を保有していないため、避難者の数は、避難元の地方公共団体に照会して集計することとなる。
 東日本大震災の発災後は、全国避難者情報システムを通じて岩手県、宮城県及び福島県に提供された避難先情報の件数を総務省が集計していたが、避難先の変更や避難終了に伴う避難先情報の変更がなされない事案も見られるようになり、必ずしも集計の結果が避難者の数を示すものではなくなってきたこと、また、当時の東日本大震災復興対策本部において「全国の避難者等の数」が調査されるようになったことから、平成二十三年十月以降は、避難先情報の件数は集計していない。