質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第三四八号

クリーニング業におけるクリーニング品の保管期間等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月二十五日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   クリーニング業におけるクリーニング品の保管期間等に関する質問主意書

 クリーニング業は、国民の衛生的で快適な衣料及び住環境を確保するとともに、家事労働を代替し専門的なサービスを提供することにより、家事労働の省力化及び国民生活の向上に大いに寄与してきた。また、我が国経済の基盤かつ雇用面でも大きな役割を担うほか、多くは住民に身近な事業者であり、生活弱者である高齢者、子育て・共働き世帯の生活を支えるなど地域のセーフティネットとしての役割を果たしている。
 こうした重要な役割をクリーニング業が引き続き担い、国民生活の向上に貢献できるような政策を実施することが重要と考える。以上の認識の下に、以下のとおり質問する。

一 近時、預けられたクリーニング品を、利用者が長期にわたって引き取りに来ないケースが多発している。しかしながら、民法上基本的に所有権に時効はなく、かつクリーニング業を規制する「クリーニング業法」にも保管期間の規定はないため、引渡予定日から長期間が経過しても、法律的には業者側は無期限の保管義務を負うことになる。特に地価が高い都市部のクリーニング店では、その保管費用等が多くの店舗の経営を圧迫することにもつながっている。この際、長期間放置されたクリーニング品を処分しやすくする法整備を行うべきではないか。政府の見解を示されたい。

二 多くの業者は契約にクリーニング品の保管期間を定めている。また、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会が定めたクリーニング事故賠償基準では「クリーニング業者が洗たく物を受け取った日より九十日を過ぎても仕事の完成した洗たく物を客が受け取らず、かつ、これについて客の側に責任があるときは、クリーニング業者は受け取りの遅延によって生じた損害についてはその賠償責任を免れる。」と定められている。これらの実態に鑑み、クリーニング品の保管期間の目安について、通達等により政府の認識を示すべきではないか。政府の見解を示されたい。

三 クリーニング業で使用される溶剤、ハンガー、包装用ビニール等の資材は石油製品であり、クリーニング業は原油価格の影響を大きく受ける。クリーニング業等の生活衛生関係営業に対して株式会社日本政策金融公庫の政策融資が行われているが、平成二十二年度生活衛生関係営業経営実態調査では、約三十五%の一般クリーニング所が日本政策金融公庫の融資について知らないと回答している。クリーニング業者は個人経営も多く、原油価格の高騰によるコスト負担には日本政策金融公庫の融資に加えて助成等の措置を講ずるべきではないか。政府の見解を示されたい。

  右質問する。