質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第三三二号

不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量等の業務等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月二十五日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量等の業務等に関する質問主意書

 不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量等の業務については、不動産の物理的状況を正確に登記記録に反映することによって不動産取引に係る国民生活の安心と安全を確保し、国民の財産を明確にするとともに、行財政施策の円滑な執行に寄与するため、深い専門知識に基づいた質の高い取組が必須である。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 不動産の流動化及び公共事業の円滑な実施のために必要な登記所備付地図作成作業といった業務については、現在、多くの場合において価格のみに基づいた競争入札により受託者が決定されている。結果、予定価格を大幅に下回る落札価格での契約が後を絶たず、受託者の被雇用者の低賃金化、成果品の品質低下等が生じる結果となっている。
 よって、安定した適正な作業により公務の適正化を確保するためにも、競争入札における委託に際しては、価格競争のみによらず、「最低制限価格」や「総合評価方式」の積極的導入を行う等の対応策を講じるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 官公署によっては、「専ら土地家屋調査士の行うべき業務」であるにもかかわらず、いまだに非資格者も含めた入札公募がなされ、落札している事例が散見される。その結果、質の高い調査・測量が担保されず、不動産登記法及び土地家屋調査士法並びに会則等が遵守されず、結果的に、事業目的を達することができずに、再委託に付すことも見受けられる状況である。
 そこで、各省庁の入札参加資格(業種区分)に、「表示に関する登記に必要な業務」、「土地家屋調査士業務」など、土地家屋調査士の国家資格を有する者のみが行い得る業務である旨に相応しい項目を、追加又は新設すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 平成十六年に全面改正され、平成十七年に施行された不動産登記法の第十八条には、国民の利便性を一層高めるため、不動産登記申請の方法としていわゆるオンライン申請が設けられた。しかしながら、不動産登記申請にあっては、オンラインによる申請率は平成二十六年度時点でいまだ三十七・四%に止まっている現状にある。
 「世界最先端IT国家創造宣言」を掲げる政府としては、最低でも申請率を五十%超に上げる必要があると考えるが、その達成までどの程度の期間を目途として見込んでいるか。また、この目途を達成するためのオンライン登記申請の利用拡大に向けた措置を具体的に示されたい。

四 土地家屋調査士は、不動産の物理的状況を正確に登記記録に反映することによって不動産取引の安全の確保、国民の財産を明確にするといった極めて公共性の高い使命を有しているため、その役割・職務の重要性を国民に十分周知する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。