質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二八二号

中谷防衛大臣の答弁に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月十四日

蓮 舫   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   中谷防衛大臣の答弁に関する質問主意書

 平成二十七年九月四日に行われた参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会における、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案(以下「本法律案」という。)による改正後の自衛隊法(以下「新自衛隊法」という。)第九十五条の二に関する中谷防衛大臣の答弁について以下質問する。

一 「九十五条の二の対象となる部隊が、まず自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に従事していることだけではなくて、条文上、これ、「現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。」と規定をしておりまして、これによりまして自衛官の安全措置は図られております」と答弁しているが、活動地域の指定、活動の中止、一時休止、変更等の規定がなくても自衛官の安全が確保できるとする法的根拠を示されたい。

二 「重要影響事態におきましても九十五条の二による警護が可能でございまして、こういった重要影響事態における活動支援をしている場合は重要影響事態法が適用されます」と答弁しているが、新自衛隊法第九十五条の二を根拠として米軍等の武器等防護を実施している自衛隊の活動に、同法とは別の法律である本法律案による改正後の重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(以下「重要影響事態法」という。)が適用される法的根拠を示されたい。

三 「重要影響事態におきまして活動している米軍に対してもこの九十五条の二において警護することができるようになっております。したがいまして、大本の重要影響事態におきましてそういった適用がない場合におきましてはそれができないということでもございます」と答弁しているが、何ができなくなるのか、明らかにされたい。仮に、新自衛隊法とは別の法律である重要影響事態法の適用がない場合に新自衛隊法第九十五条の二に規定する米軍等の武器等の警護ができなくなるということを答弁したものなのであれば、その法的根拠を示されたい。

四 「九十五条の二、これ、重要影響事態において米軍等部隊と連携して輸送、補給等を行う場合に、その近傍において戦闘行為に当たる行為の発生が予測される場合においては重要影響事態法の規定に基づいて自衛隊の活動を一時休止をするということになりますので、この九十五条の二の警護を中止する」と答弁しているが、新自衛隊法第九十五条の二を根拠として米軍等の武器等防護を実施している自衛隊が、同法とは別の法律である重要影響事態法の規定に基づき警護を中止することになる法的根拠を示されたい。

五 「重要影響事態法案に自衛隊の武器等防護を任ずる条文はありますか」との質疑に対し、「これは九十五条の二に明記されていまして、重要影響事態に際して行われる輸送、補給の活動、これが入っております、我が国の防衛に資する活動として。したがいまして、重要影響事態法において、それに参画をする自衛隊、これはこの九十五条の二の適用を受けるということは当然のことでございます」と答弁しているが、重要影響事態法を根拠に活動する自衛隊に新自衛隊法第九十五条の二が当然に適用されるということは、すなわち重要影響事態において後方支援活動、捜索救助活動又は船舶検査活動を行う自衛隊の部隊には米軍等の武器等の警護任務が必ず下令されるということになるのか、政府の見解を示されたい。

六 「原則的には戦闘行為、すなわち武力紛争の一環として行われる行為、これに対処するということはございませんが、やっぱり例外的なケース、こういったこともあり得るのではないかという点で分析、研究を行っている」と答弁しているが、例外的に戦闘行為に対処するケースとして具体的にどのようなものについて分析、研究を行い、「担当者が口頭により必要な説明」を行ったのか、明らかにされたい。
 また、「軍艦、軍用機が、実際に武力攻撃に至らない侵害、例えばロックオンとか誤射とかそういったケースもあり得るわけでございます」と答弁しているが、ロックオン及び誤射に対する防護の具体的内容についてどのような分析、研究が行われ、「担当者が口頭により必要な説明」を行ったのか、明らかにされたい。

七 「武力攻撃か戦闘行為か判断するというのは政府でございます」、また、「防衛大臣がそれを命じて、またそういった状況であるかどうか判断をする」と答弁しているが、一方で「基本は、武力紛争の一環として行われるような戦闘行為、これはやらないということでございまして、こういった判断等におきましては、基本的には現場の艦長なり指揮官が判断することになります」とも答弁している。防護対象の米軍等の武器等への攻撃が武力攻撃に該当するものか否かを判断するのは「政府」なのか、「防衛大臣」なのか、「現場の艦長なり指揮官」なのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。