質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二七〇号

積極的平和主義の定義と英訳に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月一日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   積極的平和主義の定義と英訳に関する質問主意書

 安倍内閣総理大臣は、本年八月十四日の終戦七十周年の談話(以下「本談話」という。)において、「私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。」と述べた。
 本談話について以下の点を質問する。

一 「積極的平和」とは、本年八月に来日したノルウェーの平和学者、ヨハン・ガルトゥング博士が一九五八年に「ポジティブ・ピース Positive Peace」として提案したものであり、貧困、抑圧、差別などの「構造的暴力」がない状態を示すものである。安倍内閣総理大臣が言及する抑止による戦争がない平和は、ガルトゥング博士が提案する「積極的平和」とは違うと考えるが、政府の見解如何。

二 政府は、本談話において「積極的平和主義」を「プロアクティブ・コントリビューション・ツー・ピース Proactive Contribution to Peace」と英訳しており、直訳すると「平和への先を見越した貢献」となる。これは、ガルトゥング博士の「ポジティブ・ピース Positive Peace」と、安倍内閣総理大臣が言う「積極的平和」とは違うことを意識しているのか。

  右質問する。