質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二四八号

新国立競技場の工事の工程表に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年八月十九日

蓮 舫   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   新国立競技場の工事の工程表に関する質問主意書

 新国立競技場の建設費用やその工期については、国会質疑において何度も見直しを求めてきたが、政府は一切耳を貸さず、工期は六十一か月掛かるため見直しはできないという答弁を何度も繰り返してきた。しかし、七月十七日、文部科学大臣からの提案を受け、総理は整備計画を白紙に戻し、ゼロベースで見直す旨発表した。その後の文部科学大臣の記者会見等の発言によれば、見直しの作業については、一か月前から内々行っていたとしているが、これらの発言はこれまでの国会答弁と明らかに矛盾しており、経過や白紙決定に至った根拠は極めて不透明である。実際にどのような根拠に基づき、どのような見直しをしたのか、情報公開を求めるべく以下質問する。

一 白紙撤回の根拠について、八月十日の参議院予算委員会での答弁を踏まえ、その資料の開示及び開示できない場合はその理由について、文部科学省へ照会を行ったところ、「工事の工程表についての資料は存在しないため提出できない」という回答を得た。総理は白紙撤回時の記者会見において、「工期の問題、この課題がありましたが、今日、オリンピック・パラリンピックまでに完成することができる、こう確信を得ました」と発言しているが、その確信の根拠となる資料はあるか。国際公約であるイベントの成功に向け、国民の関心が高い中、その根拠資料がある場合には、当然に開示すべきと考えるが、総理の見解如何。

二 白紙撤回について、その後の総理及び関係閣僚の国会答弁によれば、一か月の検討を経て、工期を四か月短縮できると判断したことが最大の根拠となっているようだが、何を根拠に具体的な工期短縮の判断を行ったのか、根拠の詳細を明らかにされたい。

三 一か月前から検討していたというが、七月十四日の参議院内閣委員会、文教科学委員会連合審査会で文部科学大臣は見直しをしたら間に合わないと答弁している。実際に見直しを進めていたのであればその旨答弁すべきである。国会軽視であり虚偽答弁ではないか、総理の見解如何。

四 見直しを行っていることを知らないまま、見直し期間中に、日本スポーツ振興センターは、旧計画に基づき約六十億円の契約を締結しているが、このような事態に至ったことは、情報公開及び関係機関との情報共有をしなかった政府の検討過程に問題があると考えるが、総理の見解如何。

五 二〇二〇年一月までに新国立競技場を完成されたいとの要請が国際オリンピック委員会(IOC)から東京都に来ていることを政府は承知しているか。

六 白紙撤回後の見直しにより、工期を四か月短縮できると答弁しているが、IOCの要請に従えば、更に短縮が必要となる。現実的に工期を間に合わせることは可能なのか、総理の見解如何。

  右質問する。