質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二四三号

米国家安全保障局の盗聴疑惑についての真相解明に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年八月十七日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   米国家安全保障局の盗聴疑惑についての真相解明に関する質問主意書

 内部告発サイトの「ウィキリークス」は本年七月三十一日、財務省や経済産業省、日本銀行、三菱や三井のグループ企業など日本の政府機関と企業の電話三十五か所を米国家安全保障局(NSA)が二〇〇六年又は二〇〇七年ごろから盗聴していた、と発表した。
 このNSAによる盗聴疑惑についての真相解明に関し、以下のとおり質問する。

一 安倍首相は八月五日、バイデン米副大統領と電話会談を行い、NSAの盗聴疑惑について事実であれば深刻な懸念を表明せざるを得ない旨述べ、調査の上、結果を日本側に説明するよう求めた。バイデン副大統領は日本政府に迷惑をかけたことを大変申し訳なく思う旨述べたとされている。
 政府は、米国政府の対応をどのように評価しているか。また、この陳謝により、米国が盗聴の事実を認めたと解釈しているのか。

二 安倍首相の調査要求に対して、バイデン副大統領は、二〇一四年にオバマ米大統領が発令した同盟国首脳への盗聴自粛を柱とする情報収集活動の改革策を説明し、「現在、米国政府は日米同盟間の信頼関係を損なう行動は行っていない」と述べたとされている。
 では二〇一四年以前の情報収集活動についてはどのような説明があったか、日本政府が把握している事実関係と併せて示されたい。

三 今回の盗聴疑惑に関しては、日本の政府機関だけではなく、三菱や三井のグループ企業など、日本の民間企業もその対象となっている。政府は、これらの日本の民間企業に対する盗聴による損害をどのように分析しているか。米国政府に対する損害賠償請求等も含め、今後、日本の民間企業についてどのような対応を求めていくか示されたい。

四 我が国としては、米国に事実確認を要求するだけではなく、自ら情報流出の実態を見極める努力を行うべきであると考える。今回ウィキリークスにより公表された情報と、自ら所持している情報を突き合わせることにより、内部情報の外部漏洩の存否を明確にするべきである。その上で、過去の外交や通商交渉への影響について精査しなければならないと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。