質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二三二号

社会保障と税の一体改革に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年八月六日

石上 俊雄   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   社会保障と税の一体改革に関する質問主意書

一 医療保険制度改革について

1 医療保険制度改革について、後期高齢者支援金の負担方法への全面総報酬割導入のような従来の仕組みの中での制度間の負担の付け替えではなく、保険者機能の発揮に着目した医療保険制度改革を目指すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
2 特例退職者医療制度について、その加入資格に「老齢厚生年金の受給資格者であること」とあることから、年金受給開始年齢引上げに伴い、定年退職後すぐには加入できない「制度のすき間」が生じており、切れ目のない制度へ改善するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

二 マイナンバー制度の活用による社会保障の充実について

1 セキュリティの確保、プライバシーや個人情報の保護には最大限配慮することを前提に、国民の利便性向上、行政の効率化、公平・公正な社会づくり等に資するよう、医療・福祉分野等へのマイナンバーの二次利用促進に向けたルールを整備するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
2 マイナンバー制度の開始により制度横断的な低所得者対策である「総合合算制度」の検討環境が整いつつある。同制度の実現に向けた検討を進めるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
3 マイナンバー制度の開始に当たり、事業主がやらなければならないことの周知徹底を図るべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

三 医療分野におけるデータの利活用による社会保障の充実について

1 医療費抑制、健康増進の観点から、レセプト情報・特定健診等情報データベースの利用範囲拡大のための基準見直しを行うべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
2 異なる病院間での重複診療・重複処方といったムダをなくすため、処方箋の電子的な交付・作成を進めるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

四 データヘルス事業事例の充実による社会保障の充実について

 健康保険組合で取組が進んでいるデータヘルス事業は、在職中からの医療データ・検診データを活用することにより、健康リスクが増大する前期高齢者も含めた医療費抑制、健康増進に貢献していることから、その事例を分析し、他の保険者等に展開することにより効果の波及(データヘルス事例集の更なる充実)を図るべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

五 地域における制度実現について

 地方自治体が主体となって地域の実情に応じた「子ども・子育て支援新制度」や「地域包括ケアシステム」の構築を推進しているが、各地域において地域住民のニーズや実情に即した効果的な施策が展開されるよう、構築の進展度合い、地域住民との対話の状況、サービス利用状況等を検証するとともに、人材の育成や配置、制度構築に当たっての取組プロセス事例の展開等、実施主体への支援を強化するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

  右質問する。