質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二二三号

自動車整備に係る諸問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年八月三日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   自動車整備に係る諸問題に関する質問主意書

 自動車の性能や品質は時間の経過や走行により劣化する。したがって、自動車の安全や交通の円滑化あるいは環境性能の維持確保を図る上で、自動車の点検整備の実施というものは、自動車ユーザーにとって最も重要で、かつ基本的なものであると認識している。
 この基本認識に立った上で、以下の点について質問を行う。

一 平成七年の道路運送車両法改正により、車検制度の規制緩和、いわゆる「前検査後整備」という新制度の導入がなされた。しかしながら、一部の自動車ユーザーと代行業者と未認証工場に問題があり、本来実施すべき整備を怠る実態が指摘されている。ユーザー車検の中には、連続して前検査による継続検査のみを受検し、点検整備を全く行っていないケースもある。これらの実態について、具体的な数値を用いて示されたい。

二 国土交通省では、自動車点検整備推進運動などを通じて自動車ユーザーに対して点検整備の重要性について周知を図っている。具体的には、前検査をしているユーザーに対して、車検後の点検整備を確実に実施させるために啓発のはがきを送付するなど、この問題への対策を行っていることを承知している。
 しかし、現状は単なる周知啓発では足りず、ユーザー車検車両に対する確実な点検整備の実施を担保する強力な対策、例えば罰則の導入等を行わないと、抜本的な対策とならないと考えるが、政府の見解如何。

三 現在の自動車税制においては、「自動車税のグリーン化」という方針の下に、新車新規登録から一定年数を経過した車両については、自動車税を割増の対象とする制度が取られている。新車登録から一定年数を経過すると、環境負荷が大きくなるという環境面への配慮に基づいた税制であると思われる。しかし、地球環境を保護するための自動車税制としては、排出ガス性能及び燃費性能の優れた、環境にかかる負荷の小さい自動車の自動車重量税及び自動車取得税が免除又は軽減される、いわゆる「エコカー減税」の制度が既にある。また、「自動車税のグリーン化」は、経年車の日頃の整備や管理の良否による環境負荷の変化を考慮に入れていないだけでなく、新車への買替え、ひいては自動車の短寿命化を促進することになり、循環型社会形成推進基本法において導入された「3R」の考え方にそぐわないと考えるが、政府の見解如何。
 加えて、やむを得ず年式の古い自動車を保有しなければならない経済的弱者に対する配慮も行うべきと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。