質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二〇一号

個別的自衛権の地理的要件などに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年七月十日

水野 賢一   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   個別的自衛権の地理的要件などに関する質問主意書

一 自衛隊法は第七十六条で「我が国に対する外部からの武力攻撃(中略)が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態」における防衛出動について定めている。また、政府が第百八十九回国会に提出している武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案においても、武力攻撃のことを「我が国に対する外部からの武力攻撃をいう。」と定義している。
 これらの条文でいう我が国というのは何を指すのか、示されたい。日本の領土に対し、外部から武力攻撃が加えられた場合は当然、武力攻撃に該当すると考えるが、日本の在外公館に対する攻撃、日本領海内での外国船舶への攻撃、公海上での日本船舶への攻撃、外国の領海上での日本船舶への攻撃、外国における多数の邦人への攻撃、在外邦人の生命の危険性は切迫していないがその財産の奪取などの場合は「我が国に対する攻撃」と解されうるのか、それぞれについて、政府の見解を示されたい。

二 安全保障法制に関して安倍内閣総理大臣は邦人輸送中の米輸送艦の防護などの例を挙げているが、邦人輸送中の日本の輸送艦が公海上、若しくは他国領海内で武力攻撃を受けた場合には個別的自衛権発動の要件に該当しうるのか。

三 過去の国会答弁などからすると個別的自衛権が発動されるのは日本の領土・領空・領海内に限定されるとは限らないと推察するが、個別的自衛権の発動に地理的制約はあるのか。極論すれば個別的自衛権によって地球の裏側に自衛隊を派遣することは理論上はありえるのか。

  右質問する。