質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一七七号

名護市辺野古における海上保安庁による市民に対する過剰警備に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年六月二十三日

糸数 慶子   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   名護市辺野古における海上保安庁による市民に対する過剰警備に関する質問主意書

 政府は、沖縄の民意を無視して普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事を強行しており、当該移設工事のための海底ボーリング調査に当たっては、海上保安庁が巡視艇やゴムボートを作業水域周辺に配備し、工事に対する抗議活動を行っている住民などに対して不当な過剰警備を行っているところである。こうした海上保安庁の過剰警備活動は、本年一月以降、住民らを負傷させるなど深刻な状況となっており、繰り返し抗議を行い中止を求めてきたが、いまだに続行されている。
 特に、本年四月二十八日には、大浦湾で抗議活動中の船舶に複数の海上保安官が強制的に乗り込み転覆させた事案(以下「四月二十八日の事案」という。)が、五月五日には、法的根拠もなくキャンプ・シュワブのゲート前において複数の海上保安官が抗議する市民一人を羽交い締めにして排除した事案(以下「五月五日の事案」という。)が、さらに、六月四日には、辺野古の海上で泳いで抗議活動を行う男性に海上保安庁のゴムボートが衝突し負傷させた事案(以下「六月四日の事案」という。)が発生するなどしており、海上保安庁の過剰警備は暴力的側面をむき出しにしている。
 これらの暴力的な事案について、速やかに事実関係の詳細を明らかにした上で、直ちに活動を中止し、辺野古から退去すべきである。
 よって、以下質問する。

一 四月二十八日の事案について、これまで海上保安庁は、事実関係を調査中としてきたが、事案発生から既に二か月以上も経過していることからも、速やかに調査結果の詳細を明らかにされたい。

二 五月五日の事案について、海上保安官が、陸上であるキャンプ・シュワブのゲート付近で警備行動と称し市民の排除を行った法的根拠を明らかにされたい。

三 六月四日の事案は、非暴力の市民が無謀な海上保安官の衝突行為で負傷したという不当なものであり、その経緯と経過の詳細を明らかにした上、当該市民に対して謝罪をするとともに、治療費等適切な補償をすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

四 前述の三つの事案に代表される、暴力的な海上保安庁の過剰警備活動については、海上保安庁長官の指示によるものか、明らかにされたい。また、首相官邸からの政治的意図による指示があるのかどうかについても、明らかにされたい。

  右質問する。