質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一四六号

ポツダム宣言とサンフランシスコ平和条約についての政府の認識に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年五月二十八日

和田 政宗   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   ポツダム宣言とサンフランシスコ平和条約についての政府の認識に関する質問主意書

 平成二十七年五月二十日の国家基本政策委員会合同審査会において、安倍総理は、ポツダム宣言(以下「同宣言」という。)第六項に記された「世界征服」という文言についてその認識を認めるか否かを問われ、「ポツダム宣言を我々は受諾をし、そして敗戦となった」、「ポツダム宣言を私たちは受け入れて、これがまさに戦争を終結させる道であった」と答弁したが、「世界征服」という文言の認識について安倍総理から明確な答弁が得られなかった。
 この質疑を踏まえ、以下質問する。

一 同宣言第六項に記された「世界征服」とは何を意味すると政府は認識しているのか、具体的に明示されたい。また、政府は、同宣言で記された「今次ノ戦争」の目的が「世界征服」であることを認めるのか否か、具体的な理由と共に明示されたい。

二 サンフランシスコ平和条約(以下「同条約」という。)には、我が国の戦争責任に関する記述がない。第二次世界大戦の他の講和条約では他国の戦争責任について明言されているにもかかわらず、同条約に我が国の責任が明言されていないことは、同条約の一つの特色であるとの評価がなされている。
 同条約をめぐっては、「講和條約ができた以上は、ポツダム宣言にかわるものであり、従つてポツダム宣言は効力を失する」との吉田総理の答弁(昭和二十六年十月十八日衆議院平和条約及び日米安全保障条約特別委員会)があるが、現在における政府の認識も、「ポツダム宣言は効力を失する」との認識でよいのか、政府の見解を具体的に明示されたい。また、「ポツダム宣言は効力を失する」との認識であるのであれば、同宣言第六項の「世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス」及び第八項の「「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク」についても、効力を失すると認識してよいのか、政府の見解を具体的に明示されたい。

  右質問する。