質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇九号

同性カップルに係る法整備に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年四月十六日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   同性カップルに係る法整備に関する質問主意書

 同性カップルを結婚に準じる関係と認める全国初の条例案が、東京都渋谷区議会で可決され施行された。二十歳以上の同性カップルが対象で、互いを後見人とする公正証書や同居を証明する資料を提出すれば、「パートナーシップ証明」が発行される。これにより、これまでは同性カップルが入居できなかった賃貸住宅に入居できるほか、入院時の付き添いもできるようになる一方、法的拘束力はないので配偶者控除や相続権はない。住宅ローンや生命保険は民間企業の裁量となる。これに関し、以下質問する。

一 現在、同性婚や同性による事実婚が認められる国・地域は二十一か国、パートナーシップ制度を持つ国・地域は二十五か国に及び、GDPでみると世界全体の五十%以上を占めている。また、先進八か国で同性カップルを認める制度を導入していないのは日本とロシアのみである。宗教上、同性愛に対する意見が対立しやすい欧米各国においても理解が深まる性的マイノリティへの制度導入だが、日本では関連法令の議論すらもほとんど行われていない。性同一性障害は生物学的にはほぼ先天性の要因とされているにもかかわらず、偏見や差別に根差した意見も散見される。人権啓発活動の一環として、広報活動を活発に行い国民の理解を深めるべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 国民の理解が深まらない一因に、法の不備があると思われる。本来、条例で定めるテーマではなく国が率先すべきところ、先進的な渋谷区が問題提起をしたとみるべきであり、税制控除や契約事項に同性カップルを認める制度の確立を早急に議論すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 憲法第二十四条「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」という条文は、多様化する時代の要請に合わないと考えられる。憲法改正論議に際しては、「両性の合意」の表現を変えるか、新たにパートナーシップについて言及するなど、人権に配慮した措置を講ずべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。