質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇四号

沖縄市サッカー場において発見されたドラム缶付着物等の分析結果(中間報告)等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年四月十三日

糸数 慶子   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   沖縄市サッカー場において発見されたドラム缶付着物等の分析結果(中間報告)等に関する質問主意書

 本年三月二十三日、沖縄防衛局は、米軍嘉手納飛行場の返還跡地である沖縄市サッカー場(以下「当該サッカー場」という。)において二月六日から十九日の間に発見された十七本のドラム缶の付着物等の分析結果の中間報告を発表した。報道によると、十七本中八本の付着物から人体に有害な発がん性物質と指摘されている「ジクロロメタン」が、土壌汚染対策法の指定基準を超えて検出されたことが明らかになった。さらに、人体に有害な「1・2ジクロロエタン」や「ベンゼン」などの物質も検出された。
 これまでにも当該サッカー場からこうした汚染物質の付着したドラム缶等が何度も発見されている。本来、市民がスポーツを楽しむ場所であるにもかかわらず、長期にわたって使用できない状況が続くことは異常なことと言わざるを得ない。また、人体に有害な物質が何度も検出され、周辺住民も非常に不安を感じており、このような状況は断じて認めることができない。
 今後、政府として速やかに調査を完了し、原状回復を図る必要があると考えるが、このようなドラム缶等の出所や経緯についても詳細な調査をした上で、その責任を問う必要がある。
 よって、以下質問する。

一 まず、これまでのドラム缶等の発見状況や調査結果及び今回の中間報告の内容を明らかにされたい。
 次に、今回検出された「ジクロロメタン」等の物質それぞれについて、一般論としてどのような用途が考えられ、また、人体にどのような影響が考えられるのか、政府の見解を明らかにされたい。

二 これまでに検出された汚染物質について、有識者から、米軍がベトナム戦争で使用した枯葉剤の関連物質ではないかとの指摘がなされたが、政府はこれを認めていない。今回の有害物質についても、その出所は明確になっていないが、長年にわたり米軍嘉手納飛行場として使われていた事実に照らせば、米軍由来のものであることは明らかである。
 政府としては、速やかにドラム缶等の出所を明らかにするため、当該サッカー場の米軍基地としての使用時の状況について、米軍当局への問合わせのほか、退役米軍人の証言聴取などの各種取組を行うべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

三 現在、国、沖縄県、沖縄市において、汚染物質の周辺への影響も含めた調査等が実施されているが、これらに関する費用負担について明らかにされたい。
 また、今後、原状回復のための除染措置等の実施に当たっては、現行の「沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法」において、返還された基地跡地については、国が責任を持って支障除去をすることとされている趣旨を踏まえ、当該サッカー場についても費用負担を含め国が主体的に責任をもって行うべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。