質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇一号

アジアインフラ投資銀行に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年四月七日

中西 健治   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   アジアインフラ投資銀行に関する質問主意書

 本年三月三十一日、中国が主導して設立を模索するアジアインフラ投資銀行(以下「AIIB」という。)の創設メンバーとなるための参加申請が締め切られた。日本は、公平なガバナンスの確保並びに債務の持続可能性及び環境・社会に対する影響への配慮の確保に対する疑問を理由に、参加申請を見送る一方、イギリス、ドイツ、フランス及びイタリアといったG7主要国のみならず、韓国及び台湾といった東アジアにおけるアメリカの同盟国・地域までもが、同日までにAIIBへの参加を申請している。
 このうち、イギリスの参加表明について、四月一日の衆議院外務委員会において岸田外務大臣が「英国がAIIBの参加を表明する前に、英国から日本に対しまして事前に通告というものがありました。」と答弁している。一方、四月五日付け読売新聞朝刊では、「財務省も外務省も説明が悪すぎた。「G7の国々は入りません」と言っていた。」と報じられるなど、G7諸国からの参加について財務省や外務省の見通しが甘かったことも指摘されており、我が国の外交戦略に関する情報共有や情報分析に課題を残す結果となった。
 そこで、以下質問する。

一 政府は、AIIBを巡る財務省と外務省の行政事務を、どのような配分基準によって分けているのか。両省の設置法に基づく所掌事務との関係と併せて明らかにされたい。

二 イギリスの参加表明に関して、本年三月三十一日付け毎日新聞朝刊では「外交関係者によると、(中略)主要七か国(G7)メンバーには、約一か月前に参加検討を通告した。」と報じられている。事前通告があったこと自体は、既に四月一日の衆議院外務委員会で岸田外務大臣が認めているが、政府がイギリスからAIIB参加表明の事前通告を受けたのは、具体的に何月何日であるのか。仮に日付を明らかにできないのであれば、おおよその時期を示されたい。
 また、事前通告を受けたのは、財務省と外務省のいずれであるかを明らかにされたい。

三 前記二におけるイギリスの事前通告の詳細を、財務省と外務省の間で情報共有したのは、何月何日か。特定の日時を示すことが困難である場合は、前記二における事前通告を受けた日から何日後かを明らかにされたい。

四 政府は、本年一月一日以降に、イギリス以外の国からAIIB参加申請の事前通告を受けたか。仮に受けたとすれば、イギリスを含めて何か国から事前通告を受けたかを明らかにされたい。

五 政府は、前記二におけるイギリスの事前通告を受けて、イギリス以外のG7諸国がAIIBに参加することとなる可能性を検討したか。検討結果と併せて明らかにされたい。

六 政府は、我が国がAIIBに参加しないことによって、我が国にとっていかなる不利益が生じると認識しているか。

七 政府は、我が国がAIIB創設メンバーに加わらないことによって、我が国にとっていかなる不利益が生じると認識しているか。

  右質問する。