質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第九〇号

拉致問題等に対する国連での取組に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年三月三十一日

有田 芳生   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   拉致問題等に対する国連での取組に関する質問主意書

一 政府は、平成二十五年八月二十八日に開催された北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(以下「COI」とする)の委員に対する政府合同説明会において、警察が捜査・調査している北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者が八百六十三人存在する旨を伝えています。さらに政府は、平成二十七年二月一日現在において、警察が捜査・調査している北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者が八百八十一人存在する旨を明らかにしました。政府がその都度公表するこれらの人数は、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者についての公式数字であると理解してよろしいですか。

二 政府は、平成二十七年二月一日現在、警察が捜査・調査している北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者が八百八十一人存在する旨を明らかにしています。この八百八十一人について、政府からCOIに対し、すでに報告を行いましたか。

三 COIは、平成二十六年三月に国連人権理事会に提出した報告書において、拉致問題を含む北朝鮮における深刻な人権侵害が「人道に対する罪」に当たるとしています。政府は、この拉致問題をふくむ北朝鮮における深刻な人権侵害のなかに、平成二十六年五月二十九日の記者会見において菅官房長官が述べた、昭和二十年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨及び墓地、残留日本人、いわゆる日本人配偶者、拉致の疑いが排除されない行方不明者もふくまれていると認識していますか。個々の事案について、政府の認識を明確にお示し下さい。

四 政府は、拉致問題対策本部のホームページ中の「拉致問題に対する国際的関心の高まり(国連での取組等)」で、平成二十六年の国連総会決議について「安保理がCOIの勧告を検討し、北朝鮮の人権状況の国際刑事裁判所(ICC)への付託等を通じて適切な行動をとるよう促している」と紹介しています。この決議は日本政府とEUの共同提出によるものですが、北朝鮮の人権状況の国際刑事裁判所(以下「ICC」とする)への付託等について、共同提出国の責任として実現まで取り組むと理解してよろしいですか。

五 前記四に関して、ICCへの付託等については、平成二十六年五月に合意した日朝政府間協議による北朝鮮側の全面的な調査の結果に左右されるのですか、左右されないのですか。

六 平成二十七年の国連総会における北朝鮮人権状況決議への政府の取組方針は、平成二十六年五月に合意した日朝政府間協議による北朝鮮側の全面的な調査の結果に左右されるのですか、左右されないのですか。

  右質問する。