質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二七号

廃炉を円滑に進めるための会計関連制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年二月十二日

中西 健治   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   廃炉を円滑に進めるための会計関連制度に関する質問主意書

 平成二十七年一月十四日に開催された経済産業省の「総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会電気料金審査専門小委員会廃炉に係る会計制度検証ワーキンググループ」第五回において、「原発依存度低減に向けて廃炉を円滑に進めるための会計関連制度について(案)」(以下「本件会計制度案」という。)が示された。
 本件会計制度案は、「廃炉判断を行った場合、費用の一括費用計上によって財務状況が悪化する」ことから「事業者には(中略)廃炉判断を行わないことに一定のインセンティブが働く」という課題を示し、「対象となる設備の簿価等について資産計上を可能とし(中略)一定期間で償却する」という解決策を提案する。具体的には、「発電資産、照射済核燃料および未照射核燃料」を資産と捉えた上で、「廃炉に伴って発生する費用」をこれらの資産の償却費用と位置付け、「将来の扱い」として、「総括原価方式の料金規制が残る送配電部門の料金(託送料金)の仕組みを利用し、費用回収が可能な制度とする。」ものである。
 しかし、電力会社が発電会社と送配電会社に分離(発送電分離)された場合、「発電資産、照射済核燃料および未照射核燃料」は発電会社の資産となり、送配電会社の資産とはならないはずである。そうであるにもかかわらず、発電会社の資産の償却費用を、送配電会社の「供給原価」と捉えて託送料金による費用回収を図ることは、総括原価方式の料金規制に抵触する恐れがある。
 そこで、以下質問する。

一 総括原価方式の料金規制が残る託送料金において、いかなる費用が「供給原価」に含まれるのか。

二 発送電分離がなされた場合、「発電資産」、「照射済核燃料」及び「未照射核燃料」は、発電会社と送配電会社のいずれの資産と位置付けられるのか。

三 発送電分離がなされた場合、「発電資産の償却費用」、「照射済核燃料の償却費用」及び「未照射核燃料の償却費用」は、発電会社と送配電会社のいずれの費用と位置付けられるのか。

四 前記三において発電会社の費用と位置付けられた場合、「発電資産の償却費用」、「照射済核燃料の償却費用」及び「未照射核燃料の償却費用」を、託送料金の「供給原価」と捉えることは、総括原価方式の料金規制に抵触しないか。

  右質問する。