質問主意書

第188回国会(特別会)

答弁書


答弁書第一七号

内閣参質一八八第一七号
  平成二十七年一月九日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員田村智子君外一名提出難病新法と診療報酬に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田村智子君外一名提出難病新法と診療報酬に関する質問に対する答弁書

一について

 診療報酬における御指摘の特定疾患(以下「特定疾患」という。)に罹患している者を対象に含む主なものについて、①項目及び②対象となる疾病は、以下のとおりである。
①難病外来指導管理料 ②ベーチェット病、多発性硬化症、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、スモン、再生不良性貧血、サルコイドーシス、筋萎縮性側索硬化症、強皮症、皮膚筋炎及び多発性筋炎、特発性血小板減少性紫斑病、結節性動脈周囲炎、潰瘍性大腸炎、大動脈炎症候群、ビュルガー病、天疱瘡、脊髄小脳変性症、クローン病、難治性の肝炎のうち劇症肝炎、悪性関節リウマチ、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病)、アミロイドーシス、後縦靱帯骨化症、ハンチントン病、モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)、ウェゲナー肉芽腫症、特発性拡張型(うっ血型)心筋症、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)、表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型)、膿疱性乾癬、広範脊柱管狭窄症、原発性胆汁性肝硬変、重症急性膵炎、特発性大腿骨頭壊死症、混合性結合組織病、原発性免疫不全症候群、特発性間質性肺炎、網膜色素変性症、プリオン病、肺動脈性肺高血圧症、神経線維腫症、亜急性硬化性全脳炎、バッド・キアリ(Budd-Chiari)症候群、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、肥大型心筋症、拘束型心筋症、ミトコンドリア病、リンパ脈管筋腫症(LAM)、重症多形滲出性紅斑(急性期)、黄色靱帯骨化症並びに間脳下垂体機能障害(PRL分泌異常症、ゴナドトロピン分泌異常症、ADH分泌異常症、下垂体性TSH分泌異常症、クッシング病、先端巨大症及び下垂体機能低下症)
①難病患者等入院診療加算 ②多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病)、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症(開胸心手術又は直腸悪性腫瘍手術の後に発症したものに限る。)、後天性免疫不全症候群(HIV感染を含む。)及び多剤耐性結核

二について

 難病の患者に対する医療に係る診療報酬の在り方については、難病の患者に対する医療等に関する法律(平成二十六年法律第五十号。以下「難病法」という。)第四条の規定に基づき定める基本方針の内容も踏まえ、疾病ごとの継続的な医学的管理の必要性等の観点から中央社会保険医療協議会において議論を行う必要があると考えている。

三について

 お尋ねの「対象となる疾患」の変更については、平成二十六年度の診療報酬改定時において、特定疾患治療研究事業(以下「研究事業」という。)の今後の取扱いを検討している段階であったため、研究事業の対象となっていた疾病を個別に示すこととしたものである。また、お尋ねの「対象となる疾患」の範囲については、疾病ごとの継続的な医学的管理の必要性等を踏まえ、中央社会保険医療協議会において議論を行う必要があると考えている。

四の1について

 難病法第五条第一項に規定する特定医療費の対象となる疾病は、平成二十七年一月一日前に研究事業の対象となっていた疾病と同様に、入院医療の必要性が高いと考えられることから、入院時生活療養費に係る生活療養標準負担額の減額の対象に加えたものである。

四の2について

 お尋ねの「国庫、国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合、共済の別」の財政影響の額については、各制度別の数値を把握しておらず、試算を行っていないため、お答えすることは困難である。なお、医療保険給付費に対する財政影響は極めて小さいものと推計される。また、各保険者に対しては、「「健康保険法施行規則第六十二条の三第四号の規定に基づき厚生労働大臣が定める者」の一部改正について」(平成二十六年十二月十九日付け保発一二一九第十七号厚生労働省保険局長通知)等により制度改正の内容を説明している。

五について

 診療報酬においては、各々の指導管理、処置等の項目ごとに評価の対象となる者を設定しており、継続的な医学的管理の必要性が高い等の理由から、特定疾患に罹患している者を対象に含む項目を設けているところである。この対象となる疾病の範囲については、疾病ごとの継続的な医学的管理の必要性等を踏まえ、中央社会保険医療協議会において議論を行う必要があると考えている。