質問主意書

第187回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二八号

内閣参質一八七第二八号
  平成二十六年十月二十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員江口克彦君提出土砂災害防止対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員江口克彦君提出土砂災害防止対策に関する質問に対する答弁書

一について

 基礎調査(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成十二年法律第五十七号)第四条第一項に規定する基礎調査をいう。以下同じ。)については、その進捗状況を把握し、公表すること等により、都道府県による実施を促進するとともに、防災・安全交付金により、その実施を積極的に支援してまいりたい。なお、都道府県による基礎調査の結果の公表の義務付け等を内容とする土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を第百八十七回国会に提出したところである。
 また、土砂災害ハザードマップについては、都道府県に対し、電子地図の提供等の市町村への支援を行うことを要請するとともに、都道府県を通じて先進的な取組事例を収集し、対応が遅れている市町村への周知及び助言を行うこと等により、市町村による作成及び配布を促進してまいりたい。

二について

 集約都市形成支援事業は、地方公共団体等が行う、集約型の都市構造の形成を促進するためのまちづくりに関する計画の作成、実施等に対して支援するものである。
 御指摘の「防災的観点を踏まえた支援体制も確立していくべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、集約型の都市構造の形成に当たっては、併せて都市の防災に関する機能の確保が図られる必要があると認識しており、地方公共団体等による当該機能の確保が図られることとなるよう、本事業を適切に実施してまいりたい。

三について

 御指摘の「静岡市の由比地区」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十六年十月六日に静岡県静岡市清水区興津東町において発生した斜面崩壊の箇所においては、これまでに地滑りに特有の地形及び痕跡が確認されていないことから、地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第三条第一項の規定による地すべり防止区域の指定を行っていないところである。また、当該斜面崩壊は、大雨に起因する表層崩壊であり、地滑りではないと考えられることから、当該指定の基準の見直しは検討していない。
 静岡県静岡市清水区由比西倉澤・興津井上町においては、地滑りに特有の地形及び痕跡が確認され、同法第二条第四項に規定する地すべり防止工事を実施する必要性が認められたことから、平成十七年に同法第三条第一項の規定による「静岡県西倉沢地すべり防止区域」の指定を行っており、当該区域内においては、今後とも引き続き地滑りの監視及び観測を行うとともに、地下水を排除する排水トンネル工事の実施等を推進し、地域の安全を確保してまいりたい。

四について

 御指摘の「土石流危険渓流」及び「急傾斜地崩壊危険箇所」に係る「指定要件」の意味するところが必ずしも明らかではないが、砂防指定地(砂防法(明治三十年法律第二十九号)第二条の規定により指定された土地をいう。)については、「砂防指定地指定要綱について」(平成元年九月十二日付け建設省河砂発第五十八号建設省河川局長通達)により「公共施設又は人家等の保全のため、砂防設備の設置又は一定の行為の禁止若しくは制限が必要と認められる区域」等について同条の規定による指定を行うものとされており、この「公共施設」には鉄道及び道路が含まれることから、これらを土石流等から保全すべき区域について同条の規定による指定を行うことは可能である。
 また、急傾斜地崩壊危険区域(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和四十四年法律第五十七号)第三条第一項の急傾斜地崩壊危険区域をいう。)については、「急傾斜地崩壊危険区域の指定について」(昭和四十四年八月二十五日付け建設省河砂発第五十四号建設省河川局長通達)により「急傾斜地の崩壊により危害が生ずるおそれのある人家が五戸以上あるもの、又は五戸未満であつても、官公署、学校、病院、旅館等に危害が生ずるおそれのあるもの」等について同項の規定による指定を行うものとされているが、鉄道及び道路の区域については、それぞれの管理者において安全対策等を実施することとなるため、鉄道及び道路の存在を、同項の規定による指定の要件とすることは検討していない。